アフター青空書房へ
青空書房の坂本さんに会いに、夫婦で大阪の天神橋筋商店街へ。すでにお店は閉められたけど、ご自宅で古書の販売はされているのだ。
環状線の天満のホームで、ハデハデしい電車に遭遇。
「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)に行くラッピング電車。
Kちゃんは友達と行ける年齢になってから何度か行ったが、私は未だに行った事が無い。意外に気の小さいKちゃんは、絶叫マシンとゾンビは御免被るが、「ハリーポッター」のアトラクションは素晴らしかったらしい。
お昼はもちろん「春駒」でお寿司。
開店前に2番目に並んだら、その後あっというまに行列が伸びる。そして開店と同時に満席。なんてらっきい。
生シラスとかアワビとかナマコとか。うっとり。白子のシーズンではないのと、このお店では冬場も牡蠣がないのが残念だ。
天神橋筋商店街も、すっかりハロウィン仕様だ。
イサム・ノグチもびっくりの、竹ひごと和紙の「ジャック・オ・ランタン」だ。
天神さまの梅のマークの下に、ハロウィンのカボチャが! もう宗教的になにがなんだか(汗)
しばらく歩いて裏通りの路地に入り、坂本さん手描きの名物ポスターがたくさん貼られたご自宅の玄関で、少しだけ立ち寄るつもりだったけど、本棚を見ると夢中になるサガに負けて、あがらせていただき物色させていただく。
仏像特集の昭和50年くらいの雑誌『太陽』、筒井康隆さんの書いた薄い台本(『太陽』を引っぱり出したら落ちて来たので、連れて帰らないわけにはいかない)、筒井さんの作品、小倉百人一首のパロディ作品「裏小倉」の、絵札も字札も入ったカルタひと箱(非売品っぽい)。筒井さんの最新刊と共にそれらを買ってご自宅を後にする。
私は天満駅に、H氏は「部品屋さん(大阪の秋葉原?)に行って来る」と別行動。もちろん私もまっすぐ帰宅するわけがなく、南草津で下車して駅続きにある図書館へ。草津南図書館と栗東図書館にしかなかった片山杜秀さんの『線量計と機関銃』を借りる為だ。
クラシック番組のラジオのパーソナリティをしている片山さんが、東日本大震災の日からのラジオでのトークを、その話口調のまま本にしたもの。あの常に冷静な片山さんが、例の淡々としたスピード感と、情報量ぎっしりな少し早口で『たかだか明治以降のデータを元にした安全基準で「想定外」とか「未曾有」なんていうのは、でたらめにもほどがある』とおっしゃる、内心怒り心頭な鋭い糾弾の声が聴こえてきそうだ。
あの混乱を極めていた初期の時点で、あれほど的確に対象を捉えて、ちらと皮肉やユーモアすら漂わせる余裕もあるとは、実に恐れ入る。もちろん内容の見識や分析も素晴らしく爽快で、30代のとき橋本治さんにハマったのと同じくらい、片山さんを尊敬しまくってしまった。
あのとき片山さんのこのラジオ番組を聴いてらした方は、ほんとにラッキー。あの暗い気持ちの日々に、暗雲がひび割れる思いがしたことだろうと思う。
『線量計と機関銃』の詳しいレビューはこちら→http://honz.jp/14979