読書会「舟を編む」(9/8)
昨日は読書会のテキスト、三浦しをん著『舟を編む』を再再読。珍しく精読した。「情熱には情熱で応える」のだ。う〜〜ん、よく出来ている。
次のページをめくるとさっと場面転換されているとか、時間が一気にすすんでいるとか。編集さんのセンスや力量も含めて、ページ割りも計算され尽くしている。
そして何より辞書作りに邁進する人々の『言葉』への愛と信頼に溢れているのだ。
『言葉は、「思い出」であり「記憶」である。死者にも生まれ来る者にも、言葉でつながることができる』
笑い有り、涙有り。作者の想いの丈がアツい。でも冷静な筆致で客観的に、また的確かつユーモラスな比喩や表現に、ぐいぐいと読者が引っぱられて行く。まさに「言葉」に捧げられた小説だ。
唯一、「かぐやさん」のキャラが薄いのがやや不満だれど、まあ無口なひとだから仕方ないか(笑)
そしてこれはやっぱり単行本で持ってないとね! うん。その理由は読めばわかります。この装丁、カバー、カバーを取った時のうれしいオドロキ。本を作るってこういうことよ! という矜持に満ちた思いを、フィクションだけでなく現実に手にしているといううれしさを味わえるから。
読書会では、いつも元気なあのセンパイが病欠で、ややショックかつぽっかり穴があいたよう。彼女の存在の大きさを痛感した次第。でもまた次に読書会にみえたときには、にこやかに、発言しまくってくださることを楽しみに。
明石に行った時のお土産のお菓子を配ったあとで、読書会のはじまりはじまり。テキストがいいので、誰もがなにかをしっかりとつかまえられた、いい読書会だった。私も珍しく3回読んでまとめたので、しゃべり尽くした気がしていたけど、帰りにまたあれこれ思いついて、まだまだ読みが浅かったのだと気づく。読書道??は果てなし。