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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

今しかないが、足もない。

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 8月の末に東北旅行を企てたが、台風と日程がぴったり重なり、行きに乗るはずだったフェリーも、出立の3日前に欠航が決った。ちょうどH氏が長期出張の予定があり、その間に出発すれば家庭的にも最小限の支障で出かけられる。それがすべて水の泡になってしまった。

 そこにH氏の天の声が。「行ったらいいやん。絶対あとから、あのとき行っといたらよかった!って、後悔するで」。

 たしかに。僅かながらもお給料がいただけ、働ける場や環境があり、週休5日という経済状況と時間の余裕。子育てもほぼ終わり、いつ介護生活が再び始まるかわからない狭間の時間。

 「ときは今!」。 本能寺の変を決意した、明智光秀の心境だ。

 そこから、もういちど胸に手を当てて「本当に東北でいきたいところはどこか」と自問自答して計画を練り直した。南三陸と盛岡、秋田の男鹿ははずせないので、角館を諦め、僅かな滞在時間なので駅前近辺しか行けないけれど、花巻と遠野をチョイスした。息子Tくんのおススメの場所でもあったのだ。ついでにラストの宿を花巻温泉郷にして、一気に旅の疲れを取ってから帰宅するという計画を立ててみた。最終日に東北本線を途中下車して中尊寺毛越寺に道草し、一気に帰宅するのだ。

 しかしプラン作りは苦心の連続だった。まず、足がない。鉄道でさえ在来線の本数が少ない。そのうえ接続している電車も、よりいっそう少ない。バスの存在を見つけて一瞬喜ぶも、「夏季のみ」とか、「土日祝のみ」とかの小さな文字を発見して、「ぬかよろこび」に始終した。わずかにある平日のバスも、電車が到着する2分前に発車している。

 どーしろというのだ! 

 と、投げやりになり、捨て鉢になり、腰砕けになったことも1度や2度ではない。みちのくは、個人的な旅行者については、「来れるものなら、来てみろ」的挑発を放っているのか? 団体さんやツアー客、もしくはタクシーを借り切っての富豪でないと受け入れてもらえないのではないか? 

 仕方ない、いっそ「観光」をあきらめてしまおう、と腹をくくった。行ける場所の1カ所だけでも行ければ、御の字ということにしておこう。こうなったら、「岩手や宮城や秋田の空気を吸いにきました」ぐらいの気持ちで行く事にしよう。もう計画の段階で、け戦が決ったようなものである。というマイナスからのスタートが、9月の計画段階だったのだ。

 そしていよいよ、10月10日の体育の日に出発することになる。