中門までは遠かった。
桜の向こうには御池坊(本坊)がある。
枝垂桜には花がたくさん付いていたので、立ち止まり写真を撮る人、近づいて触れてみる人がちらほら。
粉河寺童男堂の案内板。寺の縁起の中で、千手観音が童子に姿を変えて現れたことから、このお堂では童子を象った像を祀っている。
お堂の前の天井 ↓ う〜ん、ぜひ中もみたいものであるが、
でも普段は閉め切ってあり、見ることは出来ないのだ。
それでも一年に一度御開帳の機会があって、一年を締めくくる観音様の縁日、いわゆる「終わり観音」の日となる12月18日に行われる
御開帳の際には、童男大士だけでなく、壁画や格天井、特に欄間の飛天や極楽鳥の彫刻などは江戸時代前期の優れた作品として知られているらしいので、チェックを忘れずに。たぶん私は行く事はないと思うけど。H氏の誕生日だしね。
お堂のとなりには、なぜか仏足石があった。そもそもインドから遠く離れた日本に、仏足石や仏舎利があることが、いつも不思議だ。
それでもなかなか見る機会はないので、じっくりと拝見する。
仏足石ということを示す石柱も立派。しかも2本も!
「池より出現する」というと、あの「あなたの落としたのは、この金の斧ですか?」と人間の正直さをためす性悪な女神さまを思い出すが、ここにあらわれるのは、千手観音の化身である童男大士で、人間をためすようなことはせず、交換条件もなく病気を治してくれるお方なのだった。
お堂の中の像は秘仏なので年に一度しかお会い出来ないが、こちらの池の前ではフランクにいつでもお会い出来る。いわゆる「お前立ち」のような存在なのかも。
この池より出現されたのでした。
しかし童男大士とは、世を忍ぶ仮の姿。しかしてその実態は、千手観音様だ!! ということで、童男大士の像のはるか後ろには、正体を露見されているお像がある。
花灯窓かな?
建築装飾も、あまりみかけないようなディテールだった。木鼻の獅子はにんまりと愛嬌者。
欄間の龍は、ヒゲが別素材!!
柱の足元の、堂で覆った装飾部分に、立体のちいさな獅子が! かわいい!!
野外で鎮座されている阿弥陀如来さま。庭園が非公開なのが、残念だ。
視野を広げれば、こんなかんじでいらっしゃいます。
その大きさは、↓でおわかりになるかと。居ごこち良さそうです。
この石畳を歩いて行けば、中門にたどり着くはず。桜並木らしきものも垣間見える。
ここで驚愕の剪定技術に遭遇する。
どおおお〜〜ん!!
こんな形態というかテクニックというか、デザインというか・・・その大胆不敵さに、ただただ感心する。
いや〜、度肝を抜かれました。
桜を見て心を落ち着かせるのだ。
はい、中門が見えて来ました。
中門の前に、こんどは手水舎におどろく。
まず水盤が市の指定文化財だ。
ああ、そういえば「粉河は鋳物で有名」って、つい最近知ったんだ。
それにしても、この手水舎の不思議なオーラはなんだろうな。
これだ!! ↓ 水の動きをダイナミックな曲線で描いた瓦に、ハートが打ち抜かれていたのだ。
ここで、「すごいわー! すごいわ〜!」とひとりごとを言いながら、立ち尽くしていた記憶がある。客観的に見たら怪し過ぎる(汗)
ということで、いちいちビックリしたり感心したりしつつも、やっと中門へ。