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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

天使をユウワク

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

 今日は午前中に洗濯の取り入れから、晩ご飯を8割方終えるところまでやっておいた。夕方までお出かけする予定があったからである。

 そこで久しぶりにH氏の独演会を聞くことができた。

 もともと私の友達だったKさんの夫君が、H氏と共通の趣味だったりしたので、ご夫婦で我が家に見えたのが今年の冬。そこで家族ぐるみ、というか夫婦ぐるみでおつきあいが始まった。でもなかなかお会いする機会がなく、やっとこの連休に日を合わせられ、今日はKさんのお家に伺う。

 別荘のような白亜の漆喰プラス丸太のログハウス、しかもアプローチやお庭はご夫婦による手作りで、いまだ現在進行形だったりする。スペインはバルセロナにあるガウディの現在進行形で建築中のサクラダ・ファミリアみたいにロマン溢れる。でもサクラダ・ファミリアよりずっと、完成の日は近いはずだ。

 内部も海をモチーフにしたロマン溢れる佇まい。ところどころにある可愛らしく、かつ茶目っ気のある人形などは、奥様の人柄そのまんまで微笑ましい。

 お家は高台にあり、ベランダから町を見下ろす絶景のロケーションなので、H氏は思わず「戦国時代に戦で高みより査定している係の人」の気分を満喫したらしい。

 このこと(戦の査定→旗指物)については、4月のブログ記事にしたので、忘れている方、または最近ここに参入された方は、ぜひご参照ください↑

 またトイレから山を仰ぎ見られると、H氏は大感動でトイレから帰還した(笑) 雄大な風景を見ながら用を足せるというのは、男性にとって非常に意味深いものなのだ、ということを初めて知った。

 この家の主はお酒を嗜まないが、せっかく来ていただいたのだからと、高価なお酒『魔王』を振る舞ってくださった。

 何と言う僥倖! こうしてH氏の話芸が炸裂する独演会が始まった。私の頭の中では中学生の頃、音楽の時間に鑑賞したシューベルトの歌曲が鳴り響く。そういえば最近私は「魔王」づいている。

 ほんの一週間前、酒類の量販店『リカーマウンテン』にH氏と一緒に行ったとき、私が

「『魔王』やて〜〜(笑) あ、こっちに『大魔王』っていうのがあるし〜〜(笑)」

と指差したら、H氏が、

「『大魔王』飲んだら、ハクション、っていわなあかんねんで」

と、ふたりで突っ込んでいた。

 現在、柳広司さんの小説『ジョーカーゲーム』を読んでいるところだが、その登場人物の渾名が「魔王」だったりする。しかもシューベルト「魔王」も出てくる。

 さてその『魔王』というお酒の名前の由来は、天上の汚れなき天使すらユウワクし地獄へ引きずり込む魔王のように魅力的なお酒、という意味合いでのネーミングらしい。

 「天使をユウワク」? 若き日の三浦友和さんにユウワクされる山口百恵さんか、半島の宗教団体にユウワクされる桜田淳子さんか、というところか? しかし、いま目の前でユウワクされているのは、50過ぎの南方系アジア人のような風貌のおっさんである。しかも、トイレに行くだけでも怪しい足取りだったりする。「魔王」をカラにした頃、どうやら独演会は終了した。「ユウワク」というよりは、「へべレケ」かも。

 それでも彼は意志の力で車に乗り込み、ほどなく爆睡。もちろん運転は私である。家に到着すると、なんと彼はお地蔵さんのお世話までこなし、お風呂から出てきたところで、ついにギブアップ。そのまま眠りの世界へ。魔王に引きずり込まれたのは、地獄でなく夢の世界だった。よかったよかった。

 夫に成り代わって、深々と。今日はどうもありがとう、Kさん。帰り道もしばらく案内してくださったおかげで、無事に帰宅できました。