続・5歳な2歳児
なにがなんでも5歳なのだ、これでいいのだ!という決意みなぎる2歳児、「まーくん」の態度に、探偵さんは作戦を変える。
同い年の超かわいい女の子ちゃんとふたりにし、同じ質問をすれば同化されるのでは?
「○○ちゃん、いくつですか?」
「2さーい!」
「まーくん。いくつですか?」
「5しゃーい!」
「○○ちゃん、いくつですか?」
「2さーい!」
「まーくん。いくつですか?」
「5しゃーい!」
「○○ちゃん、いくつですか?」
「5さーい!」
同化されたのは、超かわいい女の子のほうだった!
お手上げになった探偵さんは、秘密兵器の幼児担当人員を呼び寄せ、作戦を考えてもらう。
「これくらいの年齢の子は、反抗期ということも考えられるので、あくまで楽しい場で、遊び感覚で覚えればできようになるかもしれません。」
そこで先程の異年齢の子たちと「いくつ?2歳!ゲーム」を輪になってスタート♪ 一番目の子が隣の子に「いくつ?」とたずね、訊ねられた子は「2歳!」と答える。それをノリノリで楽しく盛り上げる。最後に順番が回って来た「まーくん」。目を輝かせ、すっかりハイテンションになった「まーくん」は、ついに「2歳!」と口走る。
幼児担当者は、そのときの彼をしっかり観察していた。
「彼は口では2歳と言えますけれど、もしかしたら指でチョキができないから、パーでできる5歳と言ってしまうのではないでしょうか?」
鋭い指摘である。
それからチョキではなく、親指と人差し指で「2才」を手でつくることを教えて挙げ、彼も「2歳」という頻度が高くなって来た。やれやれ、これで探偵さんの任務は果たせたようだ。
最後の仕上げに探偵さんが「まーくん。いくつ?」
「5さーい!」
がっくりする探偵さんに、しかしまーくんのお父さんがオチをつけてくれた。
「ええです、これで。これから5歳になるまでは、これをネタにすることにしますわー」と、和やかにお開きとなったのである。