兎に角
日曜の夜の話。塾の日曜にある国語のテストが、とても面白かった!とKちゃんはご機嫌だった。塾の先生が自ら作られるのだそうだ。
「ほら、あの、村上春樹の最近の人気の小説で、えーと」
「『1Q84』か?」
「そうそう、それそれ! それが国語のテストの問題でな、先生が作らはったんやけど、ものすご面白かった! テスト終わってから、その先生が解説してくれはるんやけど、『この小説、面白いやろ〜!!』って、アツく語ってはった。アツい先生やねん♪」
「わー、ええなー、村上春樹が国語のテストの問題って! うらやましー! ええやん、村上春樹?」 たぶんKちゃんは、これが初・村上春樹だ。
「うん、面白かった♪」
しかし、彼の小説をテストの問題にするのも、回答するのも、どちらもかなり難しそうではあるな。
今日は珍しく家で勉強していたKちゃんと、漢字話題になった。
「おかーさんが小6のとき、初めて読んだ(児童用のダイジェストでない)夏目漱石は、『我輩は猫である』やったけど、カタカナ言葉が軒並み漢字やったことがオドロキやった。『硝子(ガラス)』とか『亜米利加』とか『天鵞絨(ビロード)』とか。カタカナやないけど、『ウサギにツノ』で『兎に角』とか。ウサギにツノって、どんなウサギやねん?」
「少なくとも、草食系ではないな!」 たしかにあり得る(笑)
話題を変える時や、話をきりあげてまとめるときなどに使う『兎に角』。肉食獣の獰猛で気短そうなウサギが、猛スピードで走ってくる絵が浮かんできて可笑しい。