マンガ体験を思い出す。
『ゲゲゲの女房』の話の続き。まずはタイトルバックが大好き。いきものがかりの歌(『ありがとう』)もいいし、アニメ(水木まんがキャラ)と実写の合成も可愛く、ほのぼのする。あれだけで、しっかりドラマの中身を暗示していて、見る度に私は、密かにムネをアツくしたりしている。
まず、ヒロインの笑顔がまぶしい。彼女の笑顔はそれだけで感動ものだ。加えてマンガを描いているときの向井理さんが演じる村井茂(=水木しげる)の後ろ姿がものすごくいい。今回のドラマのドメスティックな舞台では、歌のラストで写されるちゃぶ台は、重要な場所なんだろうな、きっと。
『ゲゲゲの女房』のヒロインを演じる松下奈緒さんのテイストは、『あぐり』のヒロイン、田中美里の素直な自然さを思い出させる。朝の連続ドラマのヒロインは、なぜか「余分なもの」を持っている場合がままあり、それがうっとうしくて、ドラマから疎遠になったりする。今回はそれが不思議なくらい、ない。あくまでさわやかなので、すみやかに感情移入してしまう。
しかもヒロインの家族「飯田家」の人々も、とてもいい。とくにお父さんの飯田源兵衛さん(大杉漣さん)! ワンマンで怖い昭和のお父さんながら、天然にお茶目で面白すぎ! 彼の怒りの表情があまりに怖くて、子どもが鬼のお面のモデルにしてしまうのも・・・面白い。
それから昔放映されていた水木しげるの少年時代を描いた、やはりNHKの夜の連続ドラマ『のんのんばあとオレ』にはまっていた私としては、水木しげる、いやいやここでは村井茂(=水木しげる)のご両親の言動にも、大いに期待している。ドラマとはいえ大好きな、面白すぎるご両親だったから。
画面の隅にも、昭和がモザイクにはめ込んであったりして、うっかり見過ごせない。今日はホーロー看板を見た。
でも今までうっかり見過ごしていたのだけど、時代時代で子ども達が読んでいる「マンガ」がちらちらと出てくるのが気になる。もしかして、こっそりと昭和マンガ史の変遷も味わえるのかも。
私が初めて読んだマンガは、クリスマスプレゼントとして親からもらった「オバケのQ太郎」である。『少年ジャンプ』のような形態、紙質(もしくは『少年カフカ』と同じ形態、紙質)で全1冊すべて『オバQ』だった。
ということを、今日ドラマの中で、ヒロインの年の離れた妹さんがマンガを読んでいるのをみて、ふいに思い出した。
ちなみに私が初めて買ったマンガの単行本は長谷川町子の『いじわるばあさん』である。テレビの青島幸男主演の『いじわるばあさん』が、大好きだったのだ。その頃私は10歳ばかりの、なまいきな子どもだった。
ドラマで懐かしいマンガがあれこれと出てくるのも、楽しみのひとつになりそう。