サカモト!
角川文庫の『俳句歳時記 夏』を探しに、本屋さんを2軒ハシゴするも見つからず。季語の解説はあっても、俳句自体の解説はなく、ぎっしりと季語ごとにまとめられた俳句が詰まっている。そこが好きなのに。注文するしかないか。
でも2軒目の本屋さんで、以前『ダヴィンチ』の坂本龍馬特集ページで唯一「よみたい!」と思っていた漫画をついに発見。で、坂本龍馬と彼をめぐるひとびとをおちょくる(主に)8コマ漫画、山科けいすけの『サカモト』(新潮文庫)だ。
たとえば『先進の男たち』という冒頭の漫画から、いきなりやってくれる。
「開国派は亡国の徒だ!」と叫ぶ同席の男達を、サカモトは勝先生の受け売りで諭すのだ。
「こんなちっぽけな国の中で争っている場合じゃないぜよっ! もっと大きな視野をもたんでどーするぜよっ!」
一瞬沈黙する一同。
そして次のコマで、サカモトは広すぎる視野を開陳してくれる。
「月の裏側には宇宙人の基地があるぜよ! 宇宙人は空飛ぶ円盤にわしらを連れ込んで人体実験するぜよ!」
ぼこぼこにされたサカモトは勝先生のもとへ愚痴りにいくのだ。
「勝先生、みんなバカだから高度な話が理解できないぜよ」
勝先生の部屋には、お約束の地球儀があるが、愛読書はたぶん定期購読しているだろう『ムー』と思われる。勝先生は、自分の趣味でサカモトを洗脳しちゃったのである。
他にも愛犬を連れ、なぜか不思議にサカモトと話がかみ合う西郷どんや、コスプレ好きで小心者だけど、プライドは高い桂小五郎もいい。けど「壬生の狂犬」視点で描かれている新選組の例の3人は、新選組ファンにはイタイかも。
1回しか出て来ないけど「こんにちわーボク岡田以蔵でーす」とばったり出会った勝先生に挨拶する人斬り以蔵は、しかし「この勝を殺せば日本は滅びる!!」という先生の、根拠はないが自信満々の迫力に負けて「こわいからやめる・・・」とつぶやき、勝先生に「よーし、なでてやる」と言われるのである。かわいーぞ、以蔵!
幕末通なら、私より楽しめるかも。絶対おもしろいです〜♪