三井寺スーベニイル その2
御開帳仏のあった三井寺境内の微妙寺から観音堂へ行く途中、50年くらい前からお土産物屋やってまっせ〜!というような雰囲気の、なにげない小さなお店があった。あ〜、こういうところ弱いんだよね〜、とばかりに、ついふらふらとお店を覗く。
サッシの扉も開け放されていたのか、それともサッシすらなくむき出しのお店だったのかも覚えていない。店内にあるものは、主に大津絵とその絵はがき。他には、もしかしたら「弁慶餅」みたいな菓子箱が一種類のみ。なんというか、まるで商売っ気がないラインナップで、陳列もゾンザイ。めんどくさいから、20年前からこのまんまですといった、やる気のなさ満々な三井寺境内では珍しいお店だった。そこがまた、いい。
そして、そんな店内と呼応するように、あ〜この暑いのに客かいな〜、なんでまた〜このクソ暑いときに〜、といわんばかりの様子で出て来たのは、たぶん同年代のオバさんだ。
しかもそれをまた、わざわざ口外されたのだ(笑)
「この暑いのに、ようこんなところまで来やはりましたね〜(物好きな!)」。心の声まで聴こえるような素直な表情だった。
「いや、ここは高台だし緑が多いし涼しいです! 町中はとんでもなく暑いですけどね」。本音である。緑の境内を渡って行く風は爽やかだった。
ということで、この昭和40代くらいにタイムスリップしたかのようなお店で、大津絵の絵はがきを購入。お店の小袋も、いかにも!だった(喜)
後でH氏にこのお店の話をすると、「そういうとこにこそ、行きたかった!!」と、非常にうらやましがられた。「写真撮ってへんの?」
まさか神社仏閣より、古ぼけたお土産物屋さんの写真がみたいなんて・・・。そういえば、彼はそういうヒトだったっけ。もう二度と行かないかもしれないから、撮っとくべきだったのかもなぁ。三井寺境内にあるから、拝観料500円を払わないと行けないお土産物屋さんだものなぁ。