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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

生家の本堂

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 今日は実家で法事が行われた。結婚してから婚家の親戚筋での法事を、ひょんなことから実家で行うことになってしまったのだ。

 私は実家はあまり得意ではないのだけれど、母とお寺の本堂は大好きだ。

 本堂は石段を30段ほど上った場所にあり、少しだけ平地より違う空気が流れている。ちょっとだけ爽やか。山からのフィトンチッドで森林浴効果があるのかも(笑) 

 中学3年生のときに、夏休みの受験生活をくっきりさせようと、お寺の本堂のとなりのお座敷で寝起きすることにした。実際のところ、親元から少しだけ隔離された生活を謳歌していた。いや、単なる「離れ」に過ぎないのだけど。

 もっとも実際は洋楽を聞きまくり、ラジオの深夜放送漬けの日々だった。しかも裏手はすぐ山で湿気が酷かったから、秋の気配が漂ってくると、すぐさまひどい風邪をひいたりしていた。

 もっと前、小学生の頃には、近所の友達と本堂で「椅子とリゲーム」ならぬ「座布団取りゲーム」をした。

 あるいは座布団に正座し、手で座布団の両側を持ち、座布団ごとピョンピョン飛び跳ねて、向こうの畳のヘリをゴールに見立て競争したことだってある。

 『サインはV』や『アタックNo1』が流行ったときには、畳の縁をコートに見立てて、ビーチボールでバレーボールごっこをしたことだってある。回転レシーブもX攻撃も、畳の上でしかもビーチボールなら、思うがままである(笑) もう、やりたい放題だ。いまにして思うとコワいもの知らずというか。それだからこそ、できたとでもいうか。

 さして広くもない本堂だが、一般のお寺の本堂より、なんだか明るかった気がする。ちょっと(?)くらいハメをはずしても、許してもらえそうな気配すらある(?)とても居心地のいい場所だった。

 子どもの頃は、本堂で読書するのも好きだった。畳の上でねっころがって、上がり口の木の段々に腰掛けて、縁側でのほほんと、いろんな場所で本を読んだ。ものすごくくつろいで、どっぷりと読書の世界にはまりこめた。

 何を読んでたっけかなあ? 『アンクル・トムの小屋』とか『青い鳥』のごく易しいの。『アンデルセン童話』とか『イソップ物語』とか。繰り返し読んだファージョンの『ガラスの靴』には、あの『クマのプーさん』で有名なシェパードさんの素敵なイラストが付いていたっけ。

 そんなスペシャルな場所で見守りつづけてくださっていた仏さま↓

 

 生家は結婚してまもなく、すっかり建て替えられてしまったので、もはや本堂とお座敷にしか、私の未婚時代の思い出は残っていない。だからこそ、よけいに大切な場所なのかもしれないな。