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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

大胆、かつチャーミング

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 珍しく、ちょうゴキゲンで帰宅したKちゃん。

 高校の芸術科目は3択で選択した。音楽、美術、書道どれかを選ぶのだ。私は絶対彼女は美術を選ぶだろうと思っていたが、念のため確認したら「書道」という。予想外の答えだった。

 なんで美術でなくて、書道?

 「美術はめちゃめちゃ上手い人、山ほどいるし、点数とれへんと思う。それに書道やったら、お歳暮とかお中元シーズンに、のし紙で筆文字を書けるから、アルバイトできるかもしれへんし」

 さすが、抜け目がない女だ。

 確かに彼女は、デッサンとか写実とかは好きではなく、技術的には上手い方ではないかもしれないが、彼女の絵には、技術を超えた魅力をもっているのに。子ども時代を通して絵画教室にも通っていたのに。ちょっともったいないなぁ〜。でもまあ、本人の意向なら仕方がないか。

 ということで、書道を選択したのである。おばあちゃんに3年程、お習字の手ほどきを受けて入るものの、器用な上手さはない。素直な元気の良さが取り柄のお習字だ。それでも先生のご指導の賜物で、高校生になってから目を見張るくらい上達した。「うまい」というより、彼女のは「いい」(味のある、ともいう)字なのだ。

 近々に「書道展」みたいなのがあるらしく、書道のクラスから代表3名を選ぶことになったらしい。Kちゃんの語りでは、こんな感じだ。

「10年くらいお習字してます!というくらいバリバリにうまい人が二人いやはって、その人らは当然代表なんや。ウチなんかはほとんど殴り込み(!)みたいな感じで書道クラス取ったやん? ほとんど論外なんや。

 それで、展覧会に提出用の字は、先生が『めりはりのある字を書きなさい』っていわはったから、めっちゃ強弱つけて書いてみたねん。ほいで、ウチが筆を洗いにいって戻って来たら、(作品の乗った)ウチの机に人垣ができてるねん」

 いわゆる「きれいな字」ではないけれど、やたら「面白い字」だったらしいのだ。

 書道だって段があがるにつれて創作になってくるから、独自にクリエイティブでないと上には上がれない、という話を聞いたことがある。観察力と想像力と創造力は人並み以上(多少親バカ・バイアスあり)のKちゃんに、どうやら何かが降りて来たらしい。あるいは無欲の勝利でもあるのだろう。

 母親としてより、むしろ10年以上前から彼女の作品の一ファンとして、うれしい話であった。これを機に、彼女のクリエイティブな部分が復活してくれたら、実にうれしいのだけれどね。でも「芸術は上手下手ではない」、という私の言っている意味が、彼女にも少しわかったかもしれない。