テレビを見る子に教えられ。
先日、大学卒業間近のTくんが、NHKの『(サンデル教授の)ハーバード大学 白熱授業』はとても面白いから見るように、と教えてくれた。
もちろん『これから「正義」の話をしよう』という書籍も、出版された当初から注目を集めていたので興味津々なのだが、その時間帯にテレビ視聴できるかが問題だ。それでもちょっとは見ておかなければと思い、途中参加してみる。
内容はジョン・ロールズの格差原理について。大学生だったのははるか昔のことだとはいえ、しかも畑違いの政治哲学とはいえ、しっかり聞いていないとついていけない! 思いのほか難しいやん・・・ってハーバード大学は政治哲学の授業だから、そりゃ骨太でしょう。
Tくんは得意満面である。いはく「本が出る前から知ってたで〜♪」。そうだ、こいつの専門はまさに政治哲学とか政治思想だから、そりゃまるっきり「ホーム」じゃないか。「ロールズは難しいからな〜。この回(を初心者の私が最初に見たの)はチョイスミスだったかも」とも。
そうだ、私は思いっきり「アウェイ」なのだ。問題提起されたテキストさえ読んでいないどころか、「ロールズって?」っていうところが立ち位置なのである。基本的なところをTくんに質問しつつ、サンデル教授の話の流れについていくのがやっと。
今日はKちゃんが「IPPON 大喜利芸人 日本一決定戦」を熱心に見ていた。チラ見したところ、ものすごいレベルの高い「お笑い頭脳戦」だ。「わーこの人、面白い!」という単純な私とは対照的に、「このひとはな〜」と芸人さんの経歴からお笑いの質、得手不得手といったデータを披露してくれるだけでなく、「いまさっきのお題に対する回答」への、鋭い批評を繰り広げてくれる。そして「クイズ番組とか、食べ物関係の番組やめて、大喜利ブームが来たらええのに」と、アツくお笑い界への希望を述べていた。
ほんとうにもう、子どもに教えてもらうことが、すっかり多くなってしまった。頼もしいような、ちょっと悔しいような。