SFの日
まるで悪夢のような今回の地震。何度テレビで映像を見ても、本当のこととは思えない。
しかも地震が原因で、ついに原発事故が発生し被爆者も出てしまった。私が知る限り20年も前から言われていた事態なのに、それがついに現実のものになろうとは。
爆発直後の民放ラジオでいわゆる原子力発電の専門家らしき方が、冷静なアナウンサーの質問に、ホンネで答えてらした。彼は専門的知識を持っているがゆえに、もしかしたら起こりえる「事態の大きさ」に打ちのめされていたのだ。たぶん、NHKではゼッタイ聞けないような彼のアンサーに、思わずうなってしまった。
「(放射能が漏れていたとしたら)今後、どうしたらいいのでしょうか?国の援助を待つんですか?」というアナウンサーの問いかけに間髪を入れず、「国の援助なんて待っていたら、大変なことになります! まず自分の身は自分で守ってください!」
今も昔も、「国」を漠然と信じたり頼ったりしてはいけないのだ。それはそうなのだろう。たぶん「国民のために万全を尽くし」てはいてくださるんだろうけど、かといって全面的に信じているかと言えばそうじゃない。本に栞を挟むように、薄い疑いを挟んでいる。そしてそれはきっと必要なことなのだ。
いまこそ自衛隊の出番じゃないか。でも、なんだか影が薄いような気がする。津波で水没した地域は空からしか救助に行けないから、空母を出して大量のヘリを飛ばしてあげたらいいのに、と思うんだけど。
まるでSF小説のように、一瞬でも静かに「世界の終わり」を覚悟した日だった。