『おひさま』のみどころ
朝のどさくさの最中に、だから5分ほどだが、NHKのドラマ『おひさま』を観たりしている。のめりこんでないのでテレビのそばにいるときのみの、ブツブツの切れ切れ。しばらく観なくても、なんとなく勝手に頭の中でストーリーを繋いだりして、それなりに辻褄をあわせる。
太平洋戦争以前の話なら、ヒロインの女学校時代はたいてい好きだ。観ていて恥ずかしくなるような大袈裟な台詞だったり、バカバカしいようなシチュエーションだったりしても、憎まれ役の教師がいて、なんらかの事件に巻き込まれたり、不本意ながらも事件を巻き起こしたり、友情を育んだり・・・といった女学校の学園ドラマに、なぜか弱かったりする。所謂「青い山脈」的世界ね。いまは、そういう女学校時代の話だ。
で、『おひさま』での目下の私的な最大の見どころは「渡辺えり」である。役どころはヒロインとその親友たちが、こっそり買い食いをしておしゃべりに興じる、隠れ家的行きつけのお店である飴屋のおかみだ。
ここに出て来る飴というのは割り箸にくるくると巻いて食べる、いわゆる水飴なので、これを食べる方々は、ゆるゆるの油断ならない飴に翻弄され、かなり苦労されているのではないだろうか?
それはともかく。
飴屋で繰り広げられるあれこれに、飴屋のおかみの出番は少ない。台詞もたいしたものではない。もっとも私が観ているのは半分にも満たないので、もしかしたら私の目の行き届いていないところで、大活躍されている可能性は否めないのだが。まぁどちらにしても、観ていない部分の話はできないので、それはひとまず観てみぬ振りをすることに。
画面のど真ん中、飴屋の奥のテーブルで繰り広げられるあれこれが、ストーリー上のメインなのだが、画面のすみっこで、あるいは店の表で佇む渡辺えりこと飴屋のおかみさんが、たいへん細かな演技をしているのだ。手を組み替えたり、驚きの表情をしたり、女学生たちの可愛らしさ(もしくはバカさ加減)に、くすくす笑ったり。
私なんかもう、メインのヒロインをめぐるストーリーをうっちゃらかして、渡辺えりの演技に釘付けである。本末転倒といわれそうだが、勝手に目が吸い寄せられるのだから仕方がない。
さすがは芸能界の女帝といわれるだけのことはある。同じ劇団員だったトヨエツを泣かせ、元暴走族総長として知られる宇梶剛士を殴っただけのことはある。(ウィキペディアより)
えりさま、まいりました。