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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

外村繁邸 後半

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 お庭に出て、ふたたびH氏が例のタヌキの置きモノを、グラビア写真を撮るカメラマンのようにバシャバシャしていたら、どこからか涼やかな風鈴の音が。

 見上げると母屋の2階で、のんびりと風鈴が回っていた。あ、2階を見るのを忘れていた! あわてて外村繁邸内に戻り、旧家らしい勾配のある階段を上がる。

 先程の土蔵が二階の窓からみえる。

 どうして旧家の二階って、こうも落ち着いてくつろげるんだろうな〜。まるで昔の時間のように、ゆったりと時がうつろう気がする。ノスタルジーにどっぷりという部分が大きいんだろうけれど、まるでトトロの世界にいるようだ。愛知万博にあった「さつきとメイの家」に行かずとも、こういう旧家で充分トトロ気分だ。

 低い柵付きの廊下。好きなアイテムだけど、ちいさなお子様と住むには不向き。お部屋からみたところ。吹き抜ける風が心地いい!

 二階に上がったら、最初は廊下。ここから風鈴の間へ。

 灯りのシェードが、レトロでかわいい! しかも廊下側は、アーチの障子!

 奥の部屋は同じシェードだけど、天井は網代に編んである! 素敵すぎる!

 左側には、祇園の芸妓さん(舞妓さんかも)のうちわ。右側の一番下の桔梗のうちわには、見覚えがあったりする。子どもの頃に家にあった記憶が甦る。足踏みミシンとともに。

 お庭越しに路地を垣間みると、(写真ではわかりにくいけれど)赤い郵便ポストが郷愁をかき立てる。

 階下に戻り、施設の説明をしてくださった上品な老紳士に、H氏が庭のタヌキを絶賛するも、いまひとつタヌキの素晴らしさは通じなかった模様。「いや、もっとほかに、感心する所はあるのでは」という、とまどいやためらいが、老紳士の表情に滲んでいたのを、私は見逃さなかった。あなたのためらいは、もっともですよ。

 子ども時代にタイムスリップしたような、うっとりとした気持ちのまま、外村宇兵衛邸へと向かう。H氏は、すっかりタヌキに気を良くして上機嫌。