中江準五郎邸
30分で近江商人屋敷を3館巡ることにしたが、残り時間も少なくなってきた。あと10分で残る中江準五郎邸をクリアしなければ。
東近江市の観光協会のHPより、中江準五郎邸について引用すると
昭和初期、朝鮮半島や中国で三中井百貨店を築いた中江家4兄弟の末弟の準五郎の本宅。明治38年(1905)、朝鮮大邱に三中井呉服店を創業し、昭和9年(1934)に株式会社三中井百貨店となる。戦前まで、本宅を金堂に置き、朝鮮半島・中国で約20店舗を経営した。蔵の中には五個荘が生んだ郷土玩具・小幡人形と全国の土人形を多数展示紹介している。
そんな追い込まれた状況なのに、中江準五郎邸までの道の途中で、船板をリサイクルした素敵土蔵に感心したりして、まったり歩いたので、屋敷に到着した時には、残り時間5分!
エッジがないから、いくぶんみはらしがきく。よく考えられている↓
ソフトな「なまこ壁」だー↓
古い船板を貼った壁。経済的でもあり、リサイクルでもあり、丈夫で長持ちの建材。さすが近江商人↓
出てきた管理人のおじさんが、ちょっと困った顔で、「急いで見てくださいね」とのたまう。表情を翻訳すれば「ちっ、なんで片付け間近の時間にくるんやろ。わし、はよ片付けて家帰って、ちべたいビール飲みたいねん!」というところか。
わかるよ〜! 急ぎます!
大急ぎでみたので、写真はないし記憶も薄い。そんな中、蔵の中で2分足らずでみた土人形のインパクトは、ひときわ大きい。
土人形は郷土が誇る素朴で愛すべき人形だ。たびたび年賀状の切手の図案にもなっている誉れ高い郷土の誇りだ。
とはいえ、「素朴な」とか「愛すべき」といった形容詞があてはめにくいものも、なかにはあった。いや、「あてはめにくい」というのは、わかりにくい表現だ。上層のえらいひとたちが発表するような表現はやめにしよう。はっきりいう。「それはどうか?」、いやいやもっと、「いったい、どうしたのか?」「過去になにがあったのか!?」というくらいに「素朴」とも「愛すべき」ともかけ離れている。
これら逸脱した土人形たちは、土人形界では、「どーかしてるぜ!」なとんまなまつり「とんまつり」とか、もらって嫌がられる土産物「いやげもの」といったカテゴリーに分類され、たぶんアウトサイダー度レベル8くらいだろう。
ということで、写真は名付けて「たぶん金太郎」↓
どうでしょうか。この不穏な目つき。そして金太郎の重みに耐えかね、憤死寸前の形相で無言の抗議をする熊(たぶん)。なんだか金太郎=宇宙人説すら出現して「ムー」に投稿されそうだ。誰もみたことのない、イメージしたことすらない金太郎。バックに控える馬さえも、目を逸らす出来映えだ。
さらに彼の両側にいるひとたちがまた、「たぶん金太郎」の禍々しさを一生懸命中和すべく、ファンキーに振る舞っているが、あろうことか、逆に「たぶん金太郎」の禍々しさを際立たせている。目で見るブラックユーモアである。
左隣の龍くん。右隣のベコくん。彼らが集合すると、中和どころか「たぶん金太郎」のインパクトが倍増される、ほらね↓
それでも「たぶん金太郎」はサイズ的に小さかった。お土産物として持って帰るのに邪魔にならないサイズだ。大量な「福助でこ人形」などをざっと見て、出口付近で、さらに圧倒される物件に出くわした。サイズは、古い商家の招き猫くらいの大きさだ。両手でかかえなければなるまい。
これだ↓
名付けて、「たぶん招き猫」。
こやつは、ナニをまねいてくるのやら?