金沢でお買い物。
もう終了したかに見えた金沢話を、もう少しだけ。
2日目の午後の予定は、買い物三昧だ。対外的なお土産は、駅のお土産街にお任せすることに。わが家の人々は「もともとが金沢の人」なので、「故郷の懐かしい食べ物」を買って帰らねばならない。ということで、近江町市場でお買い物。
H氏に熱烈リクエストされたのが、「万十貝(まんじゅうがい)」、地方によっては「白貝」ともいうらしい。うちのおばあちゃんの表現を借りるなら「すべすべっとした白い平べったい」二枚貝である。なるほどそのとおりの外観だ。
近江町市場のとある店の、Kちゃん命名「ちょんまげ兄ちゃん」に「その貝、10個ください」と注文すると、ひとつひとつ水からあげてビニール袋に投入してくれた。Kちゃんの観察では、水からあがってびゅんびゅん水を吐いたり、びろびろと身を殻から出して「あっかんべ〜」状態の元気なのもあったけど、たまに大人しくしている貝をつまんだときには、ちょんまげ氏は少し目を泳がせてから、そそくさと貝を袋に入れたそうだ。
それからイカスミの塩辛「墨(くろ)づくり」も外せない。ぎっしりと野菜の入った「ひろうす」(=がんもどき)もリクエストされていた。治部煮に欠かせない「すだれ麩」や、金沢でしか買えない「フグの子糠漬け」(フグの卵巣のぬか漬け)、家族間の噂には聞いていたけど、今回初めて見たドジョウの蒲焼き(一匹ずつ串に刺して束にして販売。バラ売りもオーケー)も購入。
それからH氏に「お醤油を買ってきて。金沢の醤油はおいしいから」と言われていたことも思い出し、駅にて入手する。うう、重い。生ものもあるので、保冷剤や氷が付属しているから、駅ではもう闇市の買い出し状態だ。もちろん2人分のリュックはフル活用で、手提げも増加中だ。ウチに送ってしまえばいいのだが、送料がもったいないというケチな了簡なのだ。
そんな状態で駅で見つけてしまった「圓八のあんころ」!
実はお兄ちゃんの大好物だが、残念ながらお兄ちゃんは不在だし、あんころ自体も「即日要完食」つまり、「本日中にお召し上がりください」という超ナマモノだ。金沢ではなく松任というところの名物だが、「天狗に教えてもらったレシピで作ったら大当たり」という伝説のあるあんころなのである。これはおばあちゃんが喜ぶだろう一品だ。これが金沢で最後に購入したお土産になった。
こうして金沢の闇市(うそ)で買い物を終えたふたりは、大量の荷物を引き摺りながら「特急しらさぎ」に乗り、たぶん5年ぶりくらいの弥次喜多母娘旅を終えたのだった。
次回は青春18切符を利用し、「金沢で晩のおかずを買いにいく日帰りツアー」を目論んでいる。