近鉄奈良駅周辺
時間は前後するのだけど、奈良博までの道中の話を。
滋賀県から奈良へはJR京都駅で近鉄奈良線に乗り換える。時間を節約したかったら、さらに奈良行きの近鉄特急に乗ると早い。京都から35分だ。特急料金が500円かかるが、背に腹はかえられない。
お昼ゴハンを食べる時間もないだろうからと、行きの車中(10時半〜11時)で柿の葉寿司(奈良旅なので)を3個と、大好きな日向夏(宮崎の特産品の柑橘類)のワッフルを食べた。とはいえ日向夏はやはり生がいちばん。
奈良駅に着いて、外に出て、はたしてどちらへ向かえばいいのか、一瞬迷う。でも奈良はカンタンだ。緑の松林のほうへ向かって行けば奈良公園や奈良国立博物館にいける。
駅前に銅像があるので、チェックをいれる。ヌー銅ではなく、お坊様だ。
おお〜! なかなかの出来映えではないか! どなたでしょう?
行基さまなのですね。しかし、なにか深い苦悩が垣間見える沈痛な表情では。こころなしか、いささかお疲れのご様子。いったい何が起こったのだろうか?
う〜〜ん、まさかカラオケ屋の前で銅像になるとは、お釈迦様でも想定外だったのではなかろうか。合掌・・・。
奈良のホテルで有名なのは奈良ホテルで、その佇まいはゆったりといにしえを感じさせ、伝統と貫禄のある格式の高い憧れのホテルである。
かたや近鉄奈良駅から徒歩2分の某ホテルであるが、別の意味でいにしえを感じる驚愕のホテルである。なんと、全面校倉造り! しかも木造じゃないだけに、校倉造りとのギャップが著しい。私は思わず立ち止まってしまった。そして思わず写真を。
気を取り直して、奈良のバス停。
ほんの一部分の細工で、お寺を感じさせる屋根の演出は素晴らしい。バスだって奈良らしく鹿が跳ねている。
奈良公園の鹿は、我が物顔だ。人間と同等あるいは人間以上である。なんといっても神様の使いだ。
鹿せんべい売り場が至る所にあるが、鹿せんべいを買うのは奈良初心者とみていい。修学旅行?の女子高生のうちひとりが「鹿せんべいあげたい!」というのを、奈良初心者でなさげな女子高生が、クールに制止した。「やめとき。たいへんなことになるし」
韓国から観光に来てくださったらしいご一家が、とても楽しそうにテンション高く写真を撮り、鹿と戯れていたが、お子様の一人が鹿せんべいを買っていた。「あれ、みときや」とくだんの女子高生。果たして鹿せんべいめがけて、どんどん鹿が集まって来る。固まる異国のお子様。ヒッチコックの『鳥』か!?
とはいえ積極的に関わらなければ、鹿はのどかな動物である。
奈良県庁は、「いにしえ」も「あおによし」も意識することなく、普通にお役所顔した建物だけど。
入口には、ガードマンとともに、全国区で有名なあのお方が。
奈良駅周辺だけで、話題がてんこもりだ。さすがは京都よりも古い都の奈良である。