以前の「紙魚子の小部屋 パート2」はこちらhttp://blog.ap.teacup.com/tanukitei/から、 その前の「紙魚子の小部屋」はこちらhttp://ivory.ap.teacup.com/tanukitei/から。

紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

ガチンコ視聴

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

 『カーネーション』第2週「運命を開く」を観て、(糸子の父親役)小林薫さん&(糸子役)尾野真千子さんの演技ガチンコに息をのむ思い。金曜日にふたりが神戸の母の実家に金の無心に行く回は、小林・父にすっかり魅せられて3回も見てしまった。この回では糸子の神戸での天真爛漫さにも、心をわしづかみだった。こんなにかわいい孫なら、宝田明・祖父でなくともメロメロでしょう。

 で、小林父である。

 男のプライドや面子は人一倍持っていて家族には威張りまくるが、実は母にも妻にも幼い子どもにまで甘えまくる、どうしようもないヤツだ。商売下手で小心者で、すぐ逃げる。根性も才能もなく、すぐ暴力は振るう、茶碗に当たって割りまくる、まるでいいとこがないのに、なんでか、やたら愛すべきキャラクターなのだな、これが。小林薫さんは糸子の父を、ミラーボールのように多面的に演じて、それはきらきらと輝いているのだ。もしかしたら脚本が求める以上に。

 今週、小林・父をみて「もしかして、私って『だめんず好き』なのかも?!」と開眼!!した女性は多いのではないだろうか? 小林・父の思う壷である(笑) 

 しかも対する(糸子の母)麻生・母のおとぼけぶりが絶妙に面白い! この夫婦ガチンコも素晴らしい。

 実家に夫から無心を頼まれたのに手ぶらで帰りながらも、母親からべっ甲のりっぱなかんざしをもらって、うれしそうにウキウキしていたらもう、そりゃ、小林・夫でなくともキレるでしょうよ(笑)

 しかもあれだけガミガミ怒られながらも、ちゃんと夫へのあふれる愛だって、夫をみつめて微笑む様子から見て取れるのだ。虫下しの薬を買ってきて夫に渡すシーンにも、笑いと共に愛が溢れていた。

 糸子だって面白さでは母親に負けていない。

 パッチ屋に出入りしていることで父親にぶっ飛ばされたあげく出入り禁止を言い渡されしょげた糸子に、心配したクラスメイトのお菓子女子が、「ウチのお芋、あげよか?」と芋ケンピを1本さしだしたとき、もう片方の彼女の手にあった、芋ケンピの袋の方をゲットしちゃったり。

 トミーズ雅演じるパッチ屋の大将が「うちに(働きに)こんか?」というのを大真面目に「ウチに嫁に来い、ということですか?」と聞き返すとか。

 「へたれ」とバカにしてきた幼なじみに助けられたショックで、糸子がおばあちゃん相手に大泣きしたときには、何回見てももらい泣きするくらいに絶望的な号泣だった。その翌朝には、畳を抱きしめんばかりにころがって喜ぶ糸子の様子に、天にものぼる心地のよろこびを共有してしまった。

 朝からこれほど心が翻弄されるとは、うかうか見てはいられない。こちらも全身全霊で見なくては、と改めて心引き締まる思いだ。『ちりとてちん』以来の私とドラマのガチンコかも。

 そうそう、パッチ屋の大将の妻や、神宮司の娘(たぶん今回限りだろう)のインパクトも大で、すみずみまでカンペキを目指すキャスティングはやっぱり素晴らしい。