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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

楼門のナゾ、氷解す。

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

 私は自分の中でナゾができると気になってしょうがない。

 先日の楼門の彫刻についても「知りたい欲」が引かず困った。まるで少年時代に「なぜなぜぼうや」と呼ばれたエジソンだ。「なぜなぜおばさん」化した私は、出典不明な彫刻群について「あの鯉に乗っていた人はだれ?」「サーフボードみたいなのはなに?」「うちわを持ったあの人は何者?」と寄せては返す波のような疑問符に悩まされた。

 ところが幸か不幸か、いまや私たちは「ネット検索」という魔法のような手段を持っている。長期休暇限定でラジオに出演する専門家のおじさんに、相当な倍率をくぐり抜けて質問するまでもなくなった。(それでも『夏休み子ども電話相談』では、「虫の足はなぜ6本なのですか?」というシンプルかつ高度な質問なら、彼らの方がだんぜんいいと思う)

 ということで調べましたよ〜、半日がかりで!!

 神仙のたぐいの方々らしい、というのはわかったのだけど、なかなかヒットし

ない。それでも根気よくネットの海を漂っているうちには、ひょっこりひょんなところから道が開けることもある。

 そしてナゾに秘められた真実については、ぜひ披露しなくてはなるまい。ではまずこれ↓から。

 ↑蝦蟇(がま)仙人。ガマガエルの蝦蟇ね。

 仙人の中でも特に人気があり、絵画、装飾品、歌舞伎・浄瑠璃など様々な形で多くの人々に描かれている。蝦蟇仙人のイメージは、読本に登場する架空の盗賊・忍者の「自来也(じらいや)」に引き継がれているのかも。(自来也は蝦蟇の忍術を使うので、「蝦蟇仙人」の異名をとるらしい)

 ↑亀仙人 名前は廬敖(ろこう)もしくは黄安(こうあん)仙人。3千年に一度しか海面から顔を出さない亀を5回見ているから、1万五千年は生きているらしい。不老不死な長寿の人。亀仙人だけど、ドラゴンボールとは関係なさそう。きっと三千年に一度だけ海面に出るような長寿の亀なら、耳くらい朝飯前に生えてくるのだろう。

 ↑漢鐘離(かんしょうり) 本名は鐘離権(しょうりけん)。全真教(道教の一派)では「正陽祖師」として尊ばれている。李鉄拐(ラストに紹介する人↓)から仙術を学び、石を金に変え貧しい人々を救ったという。死者の魂を蘇らせる扇を持っている。う〜ん、すごい扇だったんだ・・・。「行司のうちわ」だなんて言って失礼しました(汗) というか、「行司のうちわ」って、ものすごく侮れないものなのかも。「相撲」自体が神事だし(いつのまにか「格闘技」に格下げされたみたいだけど)

 ↑琴高仙人は中国の周時代の仙人で、琴の名人。200年ほど諸国を放浪した後、弟子達に「龍の子をとってくる」と言い残して川に飛び込んだ。約束の日に弟子達が川で待っていると、鯉にまたがって現れたという伝説がある。

 「鯉が滝を登って龍に変身した」という故事があるので、琴高仙人が言った龍の子とは鯉のことだったのだ。

 ↑さて、問題のこの方は鉄拐(てっかい)仙人。本名は李玄。李鉄拐とは「鉄の杖を持った李」という意だ。太上老君老子)から仙術を授かり八仙中最初に仙人になった八仙*の筆頭。魂だけで天宮に赴いた際、手違いにより「先生が死んだ」と思った弟子に魂のぬけがらの身体を焼かれ戻る身体がなくなったので、仕方なくホームレスの方の死体に入り生き返った。そのホームレスさんが足が不自由だった為、鉄の杖をついている。この彫刻では鉄拐の口から魂の抜け出る様子が彫られている。

 あの彫刻たちのうち最大のナゾの物体は、小人のサーフボードではなく、魂が抜ける様子を描いたものだったんだ! そりゃわからないや。でもああ、すっきり!!

 八仙*   

   道教の仙人のなかでも代表的な存在であり、中華社会のいかなる階層の人にも受け入れられ、信仰は厚い。日本における七福神のようなもので、掛け軸や陶磁器に描かれるめでたい絵の題材になるなど様々な芸術のモチーフとなっている(ウィキペディア「八仙」より)