もののけには届かず。
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もう昔の記憶のように思える第1回の『平清盛』。あまりの素晴らしさに呆然となってしまい、とても感想どころではない。って、清盛の産みの母、舞子こと吹石一恵さんが凄かった、というのは書いたんだけど。
今も耳に残るのは、清盛の父・平忠盛こと中井貴一さんが、金正日にもひけをとらないくらいな、「もののけ」と恐れられた絶対権力者、白河法皇こと伊東四朗さんめがけ、自分の命を顧みず発する、まっすぐな言葉だ。
「体面のため」と、忠盛は云う。
「体面のために。ー 体面のために。」と繰り返す。体面のためなら、何をしてもいいのか、と。体面だけのために、鬼畜になるのかと。
これが痛烈で。平安時代だけど、ものすごく「今」に響く言葉だ。
うわあああ〜! 私にはショックなくらいな、この痛烈な現代批判は、だけど、もう今や誰だか判らないけど日本の最高権力者(たち)には、微塵も届かないのは作者も承知の上だろう。そう、白河法皇同様に。だって白河法皇並みに、そのひと(たち)は「もののけ」だろうから。ということなのか。
初回から凄いな。一球入魂だ。