商店街の変遷
朝の連続ドラマ『カーネーション』は、相変わらず目が離せない。3月には主役が交代するので、よけいにオノマチ糸子を目に焼き付けようとしているのかも。
最近では、久しぶりに東京から帰ってきた次女が目を疑うような奇抜ファッションだったのに糸子が驚愕するところとか、その直子が晩ご飯のトンカツを食べているのに目が釘付けになった糸子が、「オバケや」「オバケがトンカツ食べてる」と心の声がつぶやくところとか、たいへんツボでした。「オバケ」って、自分の娘やし〜!
もちろん他のキャラクターも素晴らしい。恵さんの「キレイな男」大好きぶり、仕事も気配りもでき笑いも取れる、しっかりものの昌ちゃん、ほんわかおとぼけマイウェイぶりと優しさに拍車がかかっている千代さん、ダークホースだったのに大ブレイクした「北村ほっしゃん。」の面白過ぎる(たぶん)アドリブと純真無垢(!)な目。
あまり誰も言わないけど、私は小・中学校時代の聡子役の子が大好きだ。あの突き抜けた天然さは、「演技」なんてもんじゃなかった。友達にひとり欲しいキャラだ。
すばらしいのは、役者さんの演技だけでない。私にとっては、ほとんどもうひとつの主役と化している建物、小道具、そして商店街の変遷だ。
「カフェ太鼓」のカウンタ―には、いつしか白いホーローのポットが並び、いつしかサイフォンがカウンタ―内に存在していた。先週のコーヒーカップなんか、ほとんど私が愛用しているタイプにかなり近い。お店に置いてあるものとかも、微妙に変わっているけれど、唯一だんじりの模型だけは変わらない。
戸外の様子も見逃せない。
ドラマでは、昭和30年代にもなると、散髪屋さんの赤青白のねじねじ棒(サインポールというらしい)が華々しく登場したし、商店の軒先に、ビニール製?でひさしが伸び縮みするルーフが登場した。このルーフはストライプで、しかも先端に半円形のひらひらがついていて、とても可愛かったのだ。ちなみにこれは正式名称を「オーニングテント」という。
それから商店街の街頭も「すずらん型」になって、一本の街頭に電球が3つ付いていた。
小原家でのお食事場面だって見逃せない。先だって見た大鉢は、私の実家にあったものとそっくりだったし。
ドラマの美術さんや小道具、大道具さんの、時代に忠実なものを誠実に用意してくださるアツい執念には、感謝と賛嘆を惜しまない。なるべく取りこぼしのないように目を皿のようにして、ドラマとそのバックにあるものをキャッチしていきたいと思っている。
それに、いよいよ私の知っている時代に入っていきますからね。思い入れもひとしおになりそう。