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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

アウトレット・デビュー

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

Kちゃんが学園内中学校の入試で、休校だったので、竜王アウトレットに行きたい、とのたまわった。よし、連れて行ってやろうじゃないの。

 彼女は何回もバスに乗って行っているが、私は初めて。アウトレット・デビューである。このときには、高級ブランドが割引されて販売されている場所、そして割引されていてさえ、手の出ない商品が並ぶ場所という認識しかなかったのだが・・・。

 ブランドにも化粧にも興味はないが、オシャレやお洋服には多少の興味を持っているKちゃんは、アウトレット大好きであるので、トラノマキを伝授してくれる。

 「オープン前に行き、オープン時に入り、混み合ってくるお昼前に出るべし」

 「一巡して価格と品物をひととおり見てから購入すべし」

 「親切な販売スタッフさんを発見したら、コーディネートその他、商品購入後に必要な知識を伝授してもらうべし」

 最初に入った「なんたらパレス」というお店は、それはステキなお洋服や小物だらけだったが、半額でも1万5千円の値札がついている。それは予算をはるかに超越している。最低でも5千円で、それはそれはステキなショールだったのだが。「ここで買ったら、それでおしまいやな」。

 来たばっかりなのに、早速ゲームオーバーにするわけにはいかない。危ない危ない。トラノマキどおりにアウトレットを一巡しなければ。さすがは、「パレス」を名乗るだけのことはある。こうして庶民はいきなり涙をのむのであった。

 それでも存分にいいものをみられ、眼福、眼福。Kちゃんも、「ひとりでは入りづらいお店で、眼の保養ができた〜!」と喜んでいた。

 彼女によれば、「1階は高級なお店ばっかりやし」ということで、2階のみを回れば事足りるということだ。店の表をざっとみれば、どういうテイストかはわかるので、実際足を踏み入れるお店は、7軒くらいだったか。

 なかでもKちゃんのお気に入りのお店があって、そのショウウインドウに、スーモとまっくろくろすけを足したような、ヘンなキャラがギターを弾いているイラストが、バーンと描かれたフード付きトレーナーがあり、ふたりで盛り上がる。

「こんなキャラクター、めったにいーひんで!」

「描いた人はきっと、『こんなん、どこのだれが買うんや〜』って思いながら描いたんやろな。『買うヤツ、いるんか〜?』って。

ここにいるわ〜!

「いや〜、これ、ぜったい、Kちゃん、似合うで〜♪ このキャラを着こなせる人は、そういーひんで!」

 私は以前、「しまむら」で買ったブラウスに合いそうなスカートを見つけ、なおかつスタッフさんにアドバイスをいただいた。

 高校生のお小遣いでも何着かは買えそうなリーズナブルさの上、そこそこにかわいい物があるお店で、スタッフさんも親切だった。私の一番のお気に入りは、ビートルズアビーロードをシルエットにした長袖Tシャツだったが、サイズが合わず、泣く泣く見送る。

 Kちゃんは、昨年履き潰したのでサンダルを買い、私はこの冬ほぼ全滅した厚手靴下を買う。その他、保護者として学校に着ていけそうなブラウスとかも購入。

 アウトレットを見くびっていたことを、反省する。

 まさか、無印があるとは。そして思い切ったプライスダウンをしているとは。

 まさか、ABCマートも真っ青な割引で、靴たちが勢揃いしているとは。

 そして、なにより!

 おしゃれを凝らした女性たちが、満を持して繰り出す場所かと思っていたけど、意外にスーパーマーケット感覚で来ている、隙だらけの(というより無頓着な)オジさんオバさんをしょっちゅう見かけるとは。なにより彼らには、大変、勇気づけられたのである。

 そうだ、スーパーに行くように、アウトレットに行ってもいいんだ!

 帰宅に向かうアウトレット内で、「なんたらパレス」の前を再び通りかかった。

「ああ、もし将来、おかーさんが、お金持ちになったら、ここで服買うことにするわ!」とうっとりすると、すかさず「なに夢みてるの!」と娘にツッコまれる母なのであった。