老眼×乱視の漢字変換
近年読書スピードがめっきりスローになったのは、老眼×乱視のせいかもしれない。でもよほど読みづらくないかぎり、面倒でメガネはかけない。近眼になったことがないので、メガネ慣れしていないのだ。せっかく作ったのに、もったいないことである。
そんなわけで、寝起きなどは、柱が三重、四重にも見え、車に乗ればセンターラインは2本も3本もズレて走り、ぼおっとテレビの画面を見るともなく見る時は、分身の術を使った人影が動いている。
だから小学校の高学年から習うような、少し画数の多い漢字は判読しづらい。ときには誤読だってする。
信号待ちの車の窓から、ぼんやり他所の家の玄関の柱に「犬」という字がある張り紙があるのを見た。犬を飼っているウチらしいな。えっと、なんて書いてあるのかな? どれどれ。
「愛犬注意」。
「愛犬注意」?? 飼い主に溺愛されているから、ウチの子にうかつなことはしないように。という飼い主からのお達しか? もう一度、眼の焦点を合わせてみ直す。
「猛犬注意」。
「愛」と「猛」。
私の中学時代に一世を風靡したマンガのタイトルみたいだが、漢字同士には全然接点がない。しかし老眼×乱視には、なぜか似た字に見えるらしい。
そして本日、ネットを流していたら、お品書きのなかに「地獄とひよこ豆」なるものが。
なにかトウガラシっぽい赤いスープのなかで、ぐらぐらと煮えるひよこ豆・・・という絵が見えた。いや、その前に「生き地獄を味わうひよこ姿焼き」のイメージが先行したことを告白しておこう。
もちろん「地獄」ではなく「地鶏」である。
老眼×乱視の漢字変換、おそるべし。
たった今、気づいたけど「地鶏とひよこ豆」って、トリつながりで、なかなか相性がいいかもしれないですね。