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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

路線バスで旅する。

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 昨夜、たまたま見たのがBSジャパンでの再放送(テレビ東京系列の『土曜スペシャル』でレギュラーシリーズとなっている企画)「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」という21時から23時までの2時間番組。これが見事にツボにハマった。

 先ず旅人が、太川陽介蛭子能収だ。かなりの凸凹コンビである(笑) これで珍道中でないはずがない。

 しっかり者で気配りも欠かさないリーダー太川さん。それに引き換え、旅情なんてなんのそのなマイペースで、カツカレーやオムライスを注文する蛭子さん。いいかげんで、わがままで、ギャンブル好きのため、彼がついパチンコ屋に寄り道しているうちに、バスに乗り遅れたこともあるらしい(そしてこの企画のときには、目的地までたどり着けず!)。

 それでも、究極ののほほん気質と、宿にアタックをかける交渉術が彼の持ち味で、なんといっても、なにをしても不思議に憎めないキャラなのである。彼の無敵で自由奔放すぎる行動と発言には、思わず笑ってしまい、ついテレビにツッコミを入れてしまいたくなるほど(笑)

 グルメでも名所旧跡を巡る訳でもなく、4日間で地方の路線バスのみを乗り継ぎ、目的地に到達することがメインの番組なので、バスに乗るか、乗り継ぎに奔走するか、ゴハンを食べるか、宿泊するかという内容だ。そんな面白みのない画が続きそうな旅番組なのに、この二人なら、いかにも「何か(ずっこけたこと)が起こりそう!」な期待にわくわくしてしまうチョイスではなかろうか。そして実際に、期待通り、画面から目が離せなくなる。

 彼らレギュラー二人に女性ゲスト一人を加えた三人が、地方の路線バスを乗り継いで目的地への到達を目指す旅番組。バスの乗継時刻の関係から有名な観光地はたいがいスルーだ。その反面、あまり知られていない穴場スポットに立ち寄ることもある。マイナーな道の駅とか、地元でだけ有名な美味しくてリーズナブルなイタリアンとか、古い大衆食堂とか、寂れた(でもカメラで見たかんじ、その取り残された感と商品たちのレトロ感にそそられる!)お土産屋さんとか、いい感じの小さな旅館とか。このライブ感(録画でしかも再放送にも関わらず!)がたまりませんわ!

 私が観たのは、京都/三条大橋から出雲大社までの旅。シリーズ第8回目にあたるらしい。

 これは裏日本ともいわれる山陰ルート。つまり田舎の中の田舎なので、京都府といえども、辺鄙でバスが1日2本!という、恐るべき場所まである。1日目からこうなのだ。

 事前予約やネット情報、時刻表での確認はNG。持ち物は現金(ただし、なるべく安くあげる)と道路地図だけが所持品。食事処もお宿も現時点でのアポなし飛び込みだ。バス路線がない区間は、徒歩!という厳しいルールとなっているので、バスの乗り継ぎやバス停で時刻表を確認するときは、かなりのドキドキモードになる。

 キーになるのは、観光案内所やお土産屋さんのスタッフ、喫茶店の番組ファンの地元民とのふれあいによる情報(収集)だ。そして、たまに遭遇する超ラッキーな偶然とか。まさに天の助けといったところで、見ている方も「おおお〜(よかった〜!!)と快哉を叫んだりするのだ。(つぶやくだけで、叫ばないけど)

 この旅で、ひとり一カ所だけ行きたい場所にいこう!というゲストの川上麻衣子さんの提案で、蛭子さんは「じゃあオレ、鳥取砂丘にいきたい」と40年ぶりの再訪を希望した。鳥取に着いた時点では、かなりいい感じで旅が進んでいたので、鳥取砂丘に余裕を持って寄り道でき、蛭子さんのみならず、太川さんも砂丘に大感動。

「オレ、昔来たとき、こんなに感動しなかったのに、なんでだろう、今の方がずっと感動するんだけど」と不思議がる蛭子さんに、太川さんが「そりゃ、若い時には砂丘より夢の方が大きかったからだよ!」と、矢のような一言を(笑)

 その言葉に反撃するどころか、さも腑に落ちたように深く頷き「ああそうか!そのとおりだ! 現に今は夢なんてちいさいもんね」と、うれしそうに納得する蛭子さん(笑) 

 そこで納得してはいけないのでは? ナレーションのキートン山田も「蛭子さん、そんなことないですよ(?)」とフォローに困っていた(笑)

 路線バスの終着駅まで乗ってみたい!という野望を、子どもの頃から抱いていた私にとっては、まさにツボ中のツボを押された番組なのだった。