醍醐寺、伽藍へ。
醍醐寺の仁王門で、伽藍・霊宝館・三宝院の3館分の入場券を買う。本日は欲張らず醍醐寺オンリーにしておこう。現時点ですでに充分タイムオーバーだ。
仁王門入口から伽藍までの道に沿って、紅白の陣幕が貼られていて否が応でもテンションがあがる。
最初に清龍宮(せいりゅうぐう)本殿を観る。醍醐寺の総鎮守・清瀧権現を祀る鎮守社。室町時代につくられた重要文化財だ。
みごとな枝垂桜もあったが、すでに花はわずかしか残っていない。でも境内から見えるのは桜だけではない。えらくエネルギーを放っている五重塔が向こうにみえ、だれもが写真を撮っている。いやほんと、これはただものじゃなかった。その証拠に、軽く感動した。写真ではこの塔の素晴らしさは伝えられないけど、こんなもんです、ということで↓
五重塔は醍醐天皇の菩提を弔うため、朱雀天皇が承平6年(936)に着工、村上天皇の天暦5年(951)に完成した現存する京都最古の木造建築物。平安時代のもの、むろん国宝だ。
応仁の乱で下醍醐のほとんどの伽藍が焼失するなか、奇跡的に火災を免れたという。やはりただものではなかった。炎も寄せ付けないオーラを放っていたのだろう。
五重塔は総高約38メートル、相輪は約13メートルと他の塔に比べて相輪の比率が大きく、その割合は総高の1/3にもなるそうだ。
近くで見ると、いよいよあまりの素晴らしさに、目が釘付けとなる。というか、カラダごと持って行かれる感じだ。東寺の塔も魅力的だったが、醍醐寺の五重塔は格別だ。これだけのためでも、来てよかったと思える。やはり密教寺院の威力なのだろうか。
初層の内部には両界曼荼羅や真言八祖が描かれており、これらの絵画は、日本密教絵画の源流をなすものといわれている。これは絵画部門として別途国宝。塔としてのエネルギーもすごいが、文化財的価値も相当なもんだ。