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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

不思議な大河

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 個人的には大河ドラマ平清盛』は面白いけど、いわゆる「ハマる」ドラマではないと思う。「?」が付いてまわるどうにも難解な(私だけか?)ドラマだし、まったく「大河ドラマ」らしくない。でもまさにそこ、「大河らしくない」部分が、やったらめったら面白い。歴史観のスケールが広大なのは、個人ではなく歴史そのものへの視点があるから。実験的で斬新、「遊び」もいっぱいな大河なのだ。

 とはいえ、あんまり感情移入できないドラマだ。それがあえて意図されたものなのか、単にスベっているのかはよくわからないのだけど、「ここから立ち入り禁止」みたいな縄が張ってあるみたい。いつか結界が解禁になるときがあるのだろうか? その日が楽しみなような、コワいような。

 そんなわけで、たぶん違和感あり、ドラマについて行けない人ありで、脱落者続出なんだと思う。わからなくもない。視聴率的にはどうやら難しいところにあるらしいのだけど、私にはかなり興味深い大河だ。

 セットも演出も衣装もメイクも手が込んでいるし、斬新な平安時代を表現しているし、個性的な演技派どころが集結している。ドロドロの愛憎劇あり、海賊との死闘と友情の『ワンピース』(笑)あり、腐女子には見逃せない(!?)BLあり、『ちりとてちん』をふと思い出させるセリフありで、あっちもこっちも油断できない。脚本は藤本有紀さん。朝ドラの名作あの『ちりとてちん』の作者なのだ。

 個人的には『新選組!』で二言目には「切腹だ!」という鬼の副長、土方歳三役だった山本耕史が、目的のためには手段を選ばない策士で性格がとことんいやらしい公家の藤原頼長役というのが、絶妙すぎるキャスティング。しかも山本君、切れ者ながらねっとりした陰湿なイジメ方が、うまいのなんの(笑)

 あと、平家の棟梁だった(最近お亡くなりになったので)清盛の父、忠盛の中井貴一、もう、かっこよすぎ! 妻の宗子さん(=和久井映見。『ちりとてちん』ではヒロインのパワフルでユニークな母親役でした)が、昔の彼女(遥か昔に故人となる)に激しく嫉妬するのも、むべなるかな。

 このドラマについては、どうしても応援エールを贈りたいのだけど、悲しいかな、時間帯的にちょくちょく歯抜け状態での視聴で、けっこう大事な場面を見逃していたりするのだ。残念ながら断片的にしか語れない。ともかくも、視聴率回復のため「わかりやすい」話に路線変更されないことを、切に祈る。がんばれ、チーム『平清盛』!

 どうにもまとまらなくて、ごめん。

 ドラマに感情移入しがたいのは、主人公の清盛が、でっかい理想と見果てぬロマンを持ち情に厚いながらも、典型的に直情型な馬鹿で単純で唐変木だからかも。けっして松ケンのせいじゃないんだけどね。むしろ、これも今後の伏線や、平家絶頂期との対比をつくるためかも。油断できないドラマだ、ということを肝に命じておこう。