里帰り
以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。
「実家に帰らせていただきます」。
お盆の里帰りだけどね。しかもH氏同伴。夕方には帰る半日の里帰り。
きのうはお花屋さんで、お盆の仏花を買った。840円で蓮の花つき。安いかも。
8月も半ばとなれば、秋の気配も漂ってくる。実家にはまだ赤くなっていない(成熟していない)トンボが飛び交っていたし、夜ともなれば、幾種類かの虫の声が、すゞやかに聞こえる。
Kちゃんの部屋の箇条書きにされた計画表には、たくさんの赤い消し線が引かれていた。順調にノルマを達成しているようではあるが、脳にその成果が刻み込まれているかが、より気になるところである。
もっとも彼女が受けた夏期講習で先生が話された現代国語の授業は、又聞きではあるが、私にとっても楽しいものだった。和辻哲郎が師である漱石にラブレターを送った話とか、漱石の弟子は二丁目サロンが形成できるくらいゲイが多かったとか、鴎外と荷風の比較評論とか。
和辻の手紙はもはやないが、漱石の返事は残っているそうだ。「あなたの気持ちには荷が重すぎて、ご期待には応えられそうにありません」という丁重なお断りの手紙だったそうだ。
蓮尽くし 盆の花屋は 極楽に