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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

胸すく早朝

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 もう一週間前のテレビで恐縮だけど、10月8日のNHK総合で午前6時30〜53分の『ホリデーインタビュー』という番組を偶然見た。

 頭の方をみていないので、「やまざきさん」「やまざきさん」と呼ばれている女性が誰か、最初はわからなかった、どうもヤマザキマリらしいと推測していたら、これがビンゴ! イタリア在住で、阿部寛の主演で映画化もされた風呂マンガ、あの爆発的にヒットした『テルマエ・ロマエ』の原作者だ。わぁ、なんて運がいいんだろう!

 なにしろ朝なので、家事が目白押しだったのだけど、いや、今日は急いで出かける人は誰もいないことだし、見ちゃえっ!!

 彼女は元々は東京に住んでいた。だが、ヴィオラ奏者のお母さんが、北海道の交響楽団に入団するため小学生の頃、母と姉妹の3人で東京から北海道に引っ越したそうだ。

 広大な自然のなかで、虫や魚を友とする。「虫や魚の世界って、人間の世界からみたら、もう『外国』じゃないですか? 虫に興味が出たときが、初めての外国体験だったんです」「もっと虫のことが知りたくて、昆虫図鑑は必携でした」「北海道の自然が私の原点ですね。なんの縁もゆかりもない北海道へ東京から引っ越してくれた母には、ほんとに感謝してます」

 おおお〜! そんな風に考えたことなかったが、たしかにそうかも。じゃ、小学生の頃「昆虫図鑑」と「植物図鑑」を愛読していた私も、外国体験していたんだ〜(笑)

 そして母の友人である画家の指導のもと、幼少から絵を習い始めるマリさん。その頃の絵が映し出されるが・・・う、うまい! 小学生の頃、初めて描いた石膏像とかも見ることが出来た。

 で、彼女は10代なかばでイタリアに絵画留学したのだけど、なんでそんなに早くに!?というずっと抱いていた疑問が、このインタビューで氷解した。氷解したが、ぶっとんだ。

 「レプリカの石膏像を模写したってだめ、ホンモノを見ないと。ホンモノにはホンモノだけが持つ、すごいパワーがありますから」

 ホンモノのパワー!! わかる。それは、わかる。

 しかし、単身でイタリア語もできないのに、絵画留学とは。しかもビンボーで苦学を余儀なくしたり、ルームシェアした男性と恋愛し子どもが出来るも、結局別れて、一人赤子をかかえて困窮してしまった。

 どうしようか・・・と、どん底の生活のなか、たまたま近くにいたオタクのイタリア男性から、「マンガを描いたらいいじゃない? マリは日本人なんだから、どうしてマンガ描かないの? そっちの方が不思議」と、なにげに話されて、じゃあ、と生活のためマンガを描くに至ったということだ。

 ところでインタビューを受けるヤマザキさんは、迷いも澱みもなく打てば響くかしこさで、独立独歩、地に足が着いていて。イメージとしては、まさに大地にがっしと両足で立ち、超かっこいい。

 ガツガツと貪欲ではなく、つまらない遠慮もなく、さわやかに等身大。「おいおいそれは!」と、ときに突っ込みたくなるような質問をするインタビュアーをクール、シンプル、クレバーにさばかされる。胸がすくような、という形容がぴたりとはまる女性である。

 今回はインタビュイーの方が、2枚も3枚もうわてだったかも。「今回は」って、この日初めてみたから、他の回は知らないんだけどね。