土偶 cosmos
前の日曜日に、『日曜美術館』を見たら「土偶」で、しかも開催しているのは信楽のMIHOミュージアムだった。『土偶・コスモス』。 あ、うかつにも、知らなかった。
なま土偶、みたい! ホンモノのパワーをいただきに。
ということで、H氏が休みの日に連れて行ってもらうことに。冬の冷え込みが強い信楽の山は、すでに紅葉が始まりつつあって、ススキがキラキラと見頃で、延々と続く山道も美術館のアプローチみたいだった。
美術館のエラい方らしき人にお出迎えされていた上品な西洋人夫婦を、横目で見つつ入口に入る。JAFカードを提示して入場券を割引してもらい、美術館本館までは、H氏が私の足を懸念してくれて電気自動車で行くことにする。電気自動車に乗っているのは、私たち夫婦以外はなぜか西洋人で、隣に座っていたおじさんは、礼儀正しく日本語ペラペラだった。
本館まではもちろん歩いて行けるが、道中に広がってあるく中国人観光客のマナーの悪さに閉口する。道のど真ん中に立ちふさがって電気自動車の写真を撮るなんて、あぶないあぶない。しかも車が来ているのに、道をあけてくれない。
でももしかしたら、ちょっと前の日本人も海外旅行ではこんなことしていたのかも、というか、今でもしているのかも。貴重な遺物に落書きとか。落書き好きな人種だからなぁ。
(写真はH氏©↑)
で、土偶を礼賛する岡本太郎のモニュメントに迎えられ、土偶尽くしの会場へ。土偶といえば後期の遮光器土偶が有名だけど、もっと土っぽい、素焼きのような土偶がほのぼのしていていい。平べったいヒトガタみたいのは、まるでジンジャーブレッドマン(クリスマスのオーナメントにもなるヒトガタ生姜クッキー)みたいだった。
ちょっと不気味で憎めない感じは、ウルトラマンに登場する怪獣みたいで、実際夫婦の感想は怪獣の固有名詞に始終した。
「これ、可哀想なジャミラみたい」
「あ、この模様は、ほとんどダダや」
「こんなとこにガラモンがおる〜」
「すごい凛々しい顔したウルトラマンが、スペシウム光線のポーズしてる!」
「う〜〜ん、怪獣のデザインはこんなとこからも貰ってたんやな〜」と、H氏は自分の妄想に感心していた。ありえるといえばありえるけど、根拠なし。
それから、意外に土偶は「かわいい」というのがわかった。微笑む土偶も何点かある。
好きなのはやっぱり祈る土偶こと「合掌土偶」。なんか、体育のテストで順番待ちしていて「どうか跳び箱とべますように・・・」みたいな、切実だけど大袈裟でない願いをしている感じがすごく好きだ。