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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

冷泉家をあとに

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 冷泉家のお庭は、意外に目を引くものはなかった。普通の庭として植栽された松や梅やヤツデや紅葉などが茂り、石灯籠や遣り水もある。さすがに緑は多く、今出川通りの現代的な風景は遮断しているが、通りを隔てては御所なので、街中といえどまだしも都会の喧噪からは遠い。もっとも裏手は大学なので、学園祭などの時期には、やや騒がしいかもしれない。

 しかし、きわだって目を引かないということが、無季的な模様をあえて採用する襖のように、冷泉家の作戦なのかもしれない。際立ってはいないが、落ち着いたいいお庭だった。

 そしていよいよラストは、冷泉家の信仰の対象ともなっている「お文庫」と呼ばれる蔵だ。冷泉家に先祖代々伝わる貴重な典籍や古文書を納めてあり、当主とその嫡男しか入れない(ことになっているが、府や国の学術調査員は入っている)。

 冷泉家のひとたちは、たとえ母屋が燃えても「お文庫」の蔵だけは死守してきた。白壁の厚さは25センチ。もしも蔵の屋根に燃え移ったら、屋根を落として「お文庫」を守る。それでも守りきれない場合は、蔵の前にある空井戸に、典籍や古文書を投げ入れる手はずになっている。こうして代々守られ、気の遠くなるような時を経て伝わった古の記録を、私たちは目にすることができるのだ。感動。

 「お文庫」の説明を聞いたあとは、つきあたりのテントにある臨時売店冷泉家グッズを物色する。お高いものもあるが、ちゃんとリーズナブルグッズの定番、クリアファイル、お手紙セット、一筆戔などもある。あれもこれも風情あるデザインに迷いに迷うが、一筆戔を購入した。

 実は書道や歌詠みの人には魅力的だろう「歌会用筆」というのもあり、かなり心ひかれた。心ひかれたが、私が使うこともないものなので、またの機会に(いつや!?)。

 冷泉家を出て、今出川通りを東へ、河原町通りに向かって行く。今回は読書会友達のNさんとのふたりツアーで、ちょっと早めのお昼は「燕燕」という中華のお店。もっとも店内はシンプルで落ち着いた佇まいなので、中華っぽくない。

 メインディッシュが選べる3種類のランチメニューのうちふたつを選び、二種類のメインディッシュを味わうことができた。こういうことは、一人旅では不可能。中国茶やデザートも付いたあっさりめのランチはかなり美味しくてリーズナブルだった。学生の多い場所柄だからかもしれない。

 大満足でお店を出て、道標を写したり

 大文字を撮ったりして道草しつつ

 

 小雨にぬれつつも、次の清浄華院へ向かう。