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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

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オンド・マルトノ

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 昨日の朝、ラジオからクラシックが流れて来た。現代音楽では有名なフランスの作曲家、メシアン(1908年12月10日 - 1992年4月27日)の曲である。

 それは彼の代表作である「トゥランガリーラ交響曲」なのだが、この曲には電子楽器、オンド・マルトノが使用されていて、この録音でオンド・マルトノを演奏した日本人奏者のインタビューが、曲に先立って流れた。

 でも、オンド・マルトノって?

 オンド・マルトノ (Ondes Martenot) とは、フランス人電気技師モーリス・マルトノによって1928年に発明された、電気楽器および電子楽器の一種である。音の感じはダイナミックなテルミンだ。基本的には単音のみの発音しかできないらしい。本来は三極真空管を用いた発振回路で音を得るが、第7世代以降は集積回路を用いたモデルも製造された。

 オンド・マルトノの奏者のことをオンディストと呼ぶそうだ。パリ音楽院では1947年よりオンド・マルトノ科が開設され、現在も若い演奏家たちを育てている。

 インタビューされたオンディストは原田節(たかし)。彼はパリ国立高等音楽院オンド・マルトノ科を首席で卒業されたそうである。この曲を演奏するにあたって、面白いことをおっしゃっていた。

 オンド・マルトノは、一般の人たちはもちろん、オーケストラの人たちにも馴染みのない楽器だ。だから、なんだか端っこで「よろしくお願いしまーす」みたいに遠慮がちに演奏しがちなのだが、その頃はまだ存命中だった作曲者メシアンに、「この曲の主役はオンド・マルトノだ! 思いっきり弾いてくれ!」というアドバイスがあったそうだ。

 その「思いっきりなオンド・マルトノ演奏」の部分を、インタビュー直後に切り取ってラジオから流してくださったが、たしかに! 自由奔放というか、放送の入らないラジオのチューニングみたいで、とても面白かった。

 オンド・マルトノと日本との関係も興味深い。

 発明者のモーリス・マルトノは1931年2月に来日し、この楽器を初めて日本に紹介した。また宮中にも招かれ、皇族や貴族の御前で演奏したほか、皇女の一人が強く興味を示してオンド・マルトノを試演したとも日記に書いている。

 日本国内の文献によると、当時の日本の新聞では「音波ピアノ」と紹介されており、何らかの形で鍵盤に似た構造が備え付けられていたのかもしれない。

 戦後では、小澤征爾が1962年7月4日にメシアンのトゥランガリーラ交響曲日本初演した演奏会が、日本の聴衆にこの楽器の大きな印象を与えた最初であるらしい。

 映画音楽での使用例として、「ゴーストバスターズ」(1984年、エルマー・バーンスタイン)ときけば、「ああ、あれね」と思われるだろう。

 テレビ番組の音楽としては、 NHK大河ドラマ独眼竜政宗」同じく「八代将軍吉宗」(いずれもテーマ音楽作曲は池辺晋一郎)、 NHK特集「未来への遺産」(テーマ音楽作曲:武満徹) 、そして有名どころでは、刑事コロンボのテーマ(テーマ音楽作曲:ヘンリー・マンシーニ)だろう。

 私は「刑事コロンボのテーマ」が大好きだったのだけど、あの曲が麻薬的に耳に残るのはオンド・マルトノのせいだったのね。

 実は朝家事でバタバタしているうちに、「トゥランガリーラ交響曲」は終わっていて、結局聞けずじまいだったので、気になってしょうがないオンド・マルトノという楽器について調べてみたのでした。マイナーな楽器だから、ウィキでの記述はチョットだろうとタカをくくっていたら、あまりの膨大な記述に呆然だったのでした。ビジュアルもなかなかです。