以前の「紙魚子の小部屋 パート2」はこちらhttp://blog.ap.teacup.com/tanukitei/から、 その前の「紙魚子の小部屋」はこちらhttp://ivory.ap.teacup.com/tanukitei/から。

紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

『平清盛』最終回

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

 大河ドラマ平清盛』の最終回を見て、脱力中。しばらくヌケガラ状態になりそう。

 旅の僧に死者を対峙(憑依)させるという、能楽でよく使われる手法(?)を余す所なく利用した回。西行が運んで来た清盛の遺言は、平家一門、家人に至るまで情を尽くしたものだった。あ、清盛は盛国のこと、絶対「鱸丸(すずきまる)」と呼ぶぞ!と思ったら、まさにそうきた。

 かつての大河ドラマ新選組!』で、土方歳三近藤勇のことを「かっちゃん!」(二人は幼なじみだったので、子どもの時の呼び名)と呼んだときと似た感動だった。

 平家一門のそれぞれの末路がナレーションで語られる間、各人の回想シーンとかぶる斬新な演出。頼盛の「裏切り」の意味づけ(その素晴らしい演技!)。最後の最後までサイコロを振っていた後白河さん(笑)。予想もしなかった頼朝の義経追討場面が、平家の「一蓮托生」を際立たせる。そしてなんと、最後に笑うのは兎丸をめぐる人たちだったとは!

 意表を突きまくる最終回だった。

 そしてラストにまさかの「カーテンコール」が! なんというサービス精神! 「海の底の都」というのは承知の上ですが、気持ちとしては、これはもうカーテンコール。

 サービス精神といえば、(たぶん)当時の琵琶法師スタイルを考証しつつ、「平家物語」を(たぶん)正調で語ってもらえるというのも、贅沢だった。(この琵琶法師は、なんとあの「禿(かむろ)」のリーダー、羅刹だとか。見てはいけない物を多く見すぎてしまった為の顛末だそうです)

 ドラマの中でも今まで舞楽とか、歌合わせとか、今様とか、さまざまな役者さんにも視聴者にとっても高いハードル(!)が用意されていたっけ。これを「わからない」から退屈と一蹴するのは、もったいなさすぎる! 私も全然わからないけど、平安時代にはこういうことをしていたんだ、こんな感じのものだったんだ、と贅沢に作り込んだドラマづくりに敬服しまくり。

 これぞ大河!という歴史そのものが主人公みたいなスケールの大きいドラマだったので、味わい方が難しかった面があったとは思う。視聴率の低さをいい意味で取り込みつつ、それでもファンの心配を他所に、レベルを落とすどころかぐんぐん上げて行ってくださったスタッフやキャストの皆さんの努力と熱意には、いくら感謝しても足りないかも。

 とうにクランクアップしたけれど、関係者の皆様、たいへんお疲れさまでした。1年間濃い時間を、ありがとうございました!