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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

反動で映画三昧

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 すっかり耳目がダメだった日々を過ごした反動で、BS映画三昧。

 お昼は『エマ』を見る。深夜は途中まで『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』を見る。

『エマ』は内容うんぬんより、画面の美しさとか衣装とかセットとか細かい演技とかにやられ、見るのをやめることができない映画だった。原作は、ご存知ジェーン・オースティン。イギリスの階級社会やときどき開かれるパーティやピクニックの様子、貴族のお嬢様の衣装の数々、原作者オースティンの皮肉な眼差しとユーモアなど、小さなイギリスの田舎町での(貴族の)日常が生き生きと描かれていた。

 なんとなくオースティンの皮肉な視線やユーモアは、モンゴメリにも受け継がれているような気が。欠点もイヤミもうっとおしさもある普通に生きてる人たち、でもそれぞれにバンザイな、健康的な映画です。

 『ヴィヨンの妻』で、太宰(映画での役名は「大谷」)そのひととしか思えないような浅野忠信さん、うますぎ! のっけから大金は盗む、借金は踏み倒す、包丁を振り回す、女はひっかけカネをせびる、酒は飲む、「死にたい、死ねない」とつぶやく、心中はする、仕事はしない。そして妻に嫉妬する。サイテー人である。

 もちろん、ヒロインである大谷の妻「さち」役の松たか子、明るさ健気さ、静謐なれど生命力ある存在感が、素晴らしすぎ!

 大谷は当然ダメダメ夫(なぜかモテモテ)で、さちは妻の鑑で明るく健気(当然モテモテ!)なんだけど、ダメダメ夫婦ベストカップル賞というものがあれば、ダントツ大谷夫妻に贈りたい! 

 ふたりのツーショットは奇跡のようで、あんなダメダメ夫と苦労の絶えない妻の話でもあるのに、なぜかさわやかで明るい映画だったな。と、私には思えた。(もっとも広末涼子演じるカフェの愛人が登場するところまでしか見ていないから、後半悲惨におわるのかもしれないけど)

 中途半端ですみません。浅野太宰と松さちの存在だけでも見がいがあった。ダメダメな男がダメダメぶりを遺憾なく発揮し、その妻がどこまでも明るくポジティブな、不健康と健康が伯仲する(笑)不思議な映画です。