旧愛知郡役所
今日はお天気もいいし、どっか行きたいとこある?という、いつものH氏の問いかけに、あれこれ考えた後、ああ、そうだ、「豊満神社」に行きたかったな、と思い出して提案した。
場所は、ええと、忘れたけど、確か湖東の方。
そのときH氏はPC前にいたので、ちゃんとアクセスと(後で知ったのだが)ランチの場所まで調べてくれた。
遅い午前の時間に、田舎道を走ると、田んぼのあぜ道で軽トラのドアを開けたまま、田んぼを見つめる人がいた。頭まで完全防備の仕事着だから男女の区別もわからない。のどかだ。
北東に向かってどんどん走ると、あんなにいいお天気だったのに、怪しく空が曇って来た。北陸のような空だなあ・・・と思ううちに、道の端が、家の屋根が、田んぼ一面が雪で覆われ出す。トンネルもくぐってないのに、どんどん雪国だ。
レトロな風景の町に入ってくるとH氏が、
「この先に、保存するかどうするか騒ぎになっている建物があるけど。みたい?」
もちろん!
大きな木造の建物の横に車を停めて、しばし道草する。
おおお〜!! これはっ!!
車から出ると、凍り付くように寒い! 地面も積もった雪で歩きにくい。車で1時間足らずなのに、こうも気候が変わるとは。
建物の前面にまわってみる。
ススキが生い茂り、ダンボールやガムテープで補修された廃屋だが、あまり見た事の無いような物件だ。まず、大きい。旧愛知郡役所という名称で、県の観光スポットにも入っている。愛荘町愛知川にある。
大正11年(1922)築。郡役所として建てられたが、4年後には郡役所制度が廃止され、庁舎は郡教育会や県に移管される。役場としては、僅か4年しか使用されなかったのだ。
その後、建物は郡農会に無償譲渡され、戦後になって土地も農協の所有となり、愛知郡産業会館と呼ばれた時期もあるそうだ。現在は町が建物を農協(JA)から借り受けて、半ば倉庫のような形で使用されているらしい。
なるほど、だから玄関先に、こんな新聞タイトルが貼付けてあったのか。
これだけインパクトのある建物なのに、まったく知らなかった。全国的にみても郡役所が残っているのは珍しいそうだし、映画のロケなんかで知名度を上げてもらって欲しい。旧豊郷小学校が、アニメの「聖地」になったみたいにね。