世にサブレの種は尽きまじ/いつか買いたい編
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鉄道好きなら一度は乗ってみたい憧れの電車や路線として、「江ノ電」は外せないだろう。「江ノ電もなか」は有名だが「江ノ電サブレ」だって負けちゃいない。湘南の老舗洋菓子店、「ラ・プラージュ・マイアミ」さんの逸品だ。
ものはついでと「江ノ電もなか」を検索したら、なんと扇屋さんは「江ノ電もなか」だけじゃなく、魚の形の「ひものサブレ」まで販売しているではないか。フレッシュバターに海老のすり身とわかめの粉を加えたもので、「江ノ電もなか」に、負けず劣らずの人気商品らしい。
そういえば滋賀県にだってお魚関係サブレはあったな。「近江ふなずしサブレ」だ。「近江発祥の3つの伝統食材を贅沢に使った「近江びわいちサブレ」の詰め合わせのなかの1種が、「近江ふなずしサブレ」だ。
ちなみに他のふたつは、「近江豆乳サブレ」と「近江抹茶サブレ」という、ごく普通のラインナップ。ただひとつ「近江ふなずしサブレ」だけが、際立って地方色豊かすぎる食材なのだ。
もちろんあのキョ−レツな匂いはなく、チーズのような風味が漂っているらしい。
地元つながりなら、ウチの市内にだって「どうたくサブレー」というご当地サブレがある。ただ残念な事に、あまりにシンプルな形なので、「銅鐸」らしさが漂わないのが残念だ。サブレは、やはり形態は重要な要素になると思うのである。当然味だって銅っぽくはなく、ふつうのサブレだ。
ご当地サブレで私が唸ったのは、山形県だ。その名も「山形サブレ」。シンプルだ。そしてその形態は山形県の地形そのもの!なんという逆転の発想!
しかもその形は、「人が口をあけた横顔」で、ひとことでいえば「笑顔のかたち」になるらしい。ということで、キャッチフレーズは「お菓子な顔です、山形サブレ」。
お菓子そのものは、簡単につくれたそうなのだけど、なんとパッケージを観光案内に使えるよう地図にするとき、地図の位置関係でかなり紛糾したらしい(笑) 杵屋本店さん、素晴らしいぞ!
お菓子屋さんじゃないけど、「お札サブレ」というものだってあった。
製造は東京風月堂さんで、鳳産業さんが販売元だ。紙幣を印刷製造している独立行政法人国立印刷局の工場、北区役所、財務省売店、衆参国会の売店、日本銀行売店など極限られた場所での販売なので、なかなか目にすることのないレアなサブレかもしれない。
お札といえば人物だけど、人物サブレというカテゴリーがあるなら、いちおしが勝海舟を起用した「勝サブレ」だろう。キャッチフレーズは「歴史文化を継承する縁起菓子」。重厚だ。HPだってブラックを基調としており、とてもお菓子のHPとは思えない重厚さを漂わせている。
しかもあえて「勝」の一文字に留めたのが、応用範囲を広げている。縁起菓子と銘打っているので「ここぞ!」という場面で、購入してみてはどうだろう。
サブレの世界は、留まるところを知らない奥の深い世界だという事を思い知った次第だ。勝海舟先生の言葉を結びとして、サブレ業界の方々に贈ろう。
「敵は多ければ多いほど、面白い」。