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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

「あまちゃん」!

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 前回の朝ドラ『純と愛』は、あんまりな最終回だった。

 後半盛り返して行くだろうという予想は見事に外れ、じゃああと1ヶ月でカタがつくだろうという楽観も裏切られ、最後の一週間はもういままでの脚本パターンならこれしかないだろうという悲しい予想どおりで終わった。

 それでも頑張ってくださったキャストやスタッフの皆さんには、たいへんお疲れさまでした、と言っておきたい。

 ただ、最終回で答辞のような長台詞を海に叫ばなければならなかった夏菜ちゃんは、本当に可哀想だった。それは台詞ではなく、「ドラマにして」見せて欲しいものだったから。自然に向かって宣言するのは、多くてもせめて3フレーズで留めて欲しいよね。スカーレット・オハラ程度に。彼女はものすごく頑張ったので、同情を禁じ得ない。彼女はよくやった。

 さて4月になり、新しい朝ドラが始まった。この「あまちゃん」が、かなりいい! 滑り出しは言う事ないです。脚本は宮藤官九郎で期待通りの面白さだし、ヒロインはフレッシュな魅力で一杯だし、ツンケンした小泉今日子さんの母親や、タダモノでない感を一瞬にして発散する宮本信子さんの祖母が、明るい火花をスパークさせまくりそうな予感にドキドキする。

 オープニングの音楽&映像もふざけた感満載だし、鉄拳のアニメ(教えてくださってありがとう、蕃茄さん!)もチャーミングだった。主要メンバーになるであろう海女グループの面々が、あまりに私好みで面白すぎる組み合わせだ。

 でも感動的なのがカメラワークというか、北三陸の風景。自然もだけれど、生活感あふれる家屋内外の様子に、とてもほっとするものを感じた。

 小泉今日子演じる春子さんが、引き戸を両手であけると、真正面上部にバーンと神棚があって、木のたらいが真正面にあるのとか、たぶんその地方独特の神棚文化?なのかもしれなくて、興味深かった。台所や居間の様子とかも、まるで親戚の家にきました感でいっぱい。行った事もなく、初めてみるのに懐かしい。まるで「トトロ」だ。

 これは!!・・・と「あまちゃん」HPをくまなくチェック。制作統括の方が宮藤官九郎さんとの打ち合わせについて、こんなことを語っておられた↓

打ち合せはこんな言葉で終わりました。

「世の中これだけ暗いことが多いと、ドラマだけはせめて明るいものにしたいですね」

 これは『純と愛』へのアンチテーゼじゃないのか。でもこれはドラマへの正しい、シンプルなアプローチだと思う。「せめて明るいドラマ」を見る事は逃避じゃなく、辛い事にもういちど立ち向かうための力になりうるものだから。

 今日「もうだめ」と思ってても、「でも明日はこれ、どうなるんだろう?」とドラマ鑑賞欲をかき立てられ、引っ張ってくれるのがいいドラマだと思うから。

 ドラマガイド買いに行って、テレビの前に滑り込み、笑いながら毎日見たい、と思ったのでした。