漱石先生、LOVE!
天下国家を論じるのが好きな男子たちとは一線を画し、個人や家族を第一義に尊重するところ。
若いときに俳諧・発句の洗礼を受け、落語が大好きで洒脱なところ。
犬棒カルタで「屁をひって尻すぼめ」「頭隠して尻隠さず」を自分の目前に置き、お気に入りの札だったこと。
温厚で誠実で面倒見がよく、まっすぐな魂とあそび心にあふれていたとこ。愛すべき人間性からくるだろうカリスマ性。当意即妙な「返し」ができる、学生憧れの教師な部分。
戦争の真実を見抜く透徹した眼差し。公費留学の義務である論文を白紙で提出したり、姦通罪が制定された直後に、「それから」のような不倫?小説を新聞連載にする国家権力への反抗と皮肉。経済至上主義への警鐘につぐ警鐘。すでにあの時代にして帝都と田舎の格差への視点。
悪妻といわれた鏡子さんと、意外にもラブラブだったらしいところ。それは新婚の頃だけ? でも、ILove Youを「愛してます」ではなく、「月がきれいですね」と訳すのは抜群のセンスだし、ロマンチックだ。
わ〜、なんかドキドキしてきたよ。(ああ、幻の百合の香りが・・・) もうとっくに死んじゃってる人に、ドキドキするなんてね。
それにしても、なんで野口さんと千円札バトンタッチしちゃったんだろ。絶対、漱石先生ブロマイド付き紙幣の方がいいよね!