大西暢夫さんの講演会
今日は、大西暢夫さんの講演会に能登川図書館へ。「ナマの」東北の話はなるべく聞いておきたい。
ただし、きいたのは家が気になり1時間だけ。津波の話。ヘビーで臨場感がある話だったけど、大西さんの素直でピュアな語りは、静かに、でも確実に心に着地してくる。怒りや嘆きはあるはずだろうに、それは封印して、ただただ静かに淡々と話された。
あまりに悲惨な部分は、言葉を選んで「それはみなさんのご想像のとおりのものが」あるいは、「地獄」とだけ。
それにしても大西さんの「普通の人」ぶりがとてもよかった。写真や文章だけでは掴めなかったものが、やっと腑に落ちて来たかんじ。正義感を押し出すこともなく、感情を高ぶらせることなく、なにかを批判するわけでもなく、みたこと、きいたことを淡々と語られる、すごいスタンスの取り方だ。もちろん自然にそうなっているだけなのだろうが。
それにしても、やはり実際に現地に足を運んだ人の言葉は違うなあ、とつくづく思い知った。たぶん普通の人の許容範囲を越えた体験をしたひとの、たくさんのひとの思いをしょってしまった人が持つ、説得力のある静かな力。
たぶん「たくさんのひとの思い」がしっかり伝わったようで、帰りにスーパーで、思わず薔薇を買ってしまった。ちょっとまだ、気持ちが未整理で、消化できてないみたい。でも、たしかになにかをしっかり受け取った。
大西さん情報を送ってくださったMさん、どうもありがとう。ほんとうに、行けてよかった。