祇園甲部歌舞練場へ
バスは祇園甲部歌舞練場へ。
そういえば、祇園を自主的に観光なんてしたことがなかったっけ。唯一、娘が幼稚園児だった頃、関東の友達と祇園でお昼ゴハンを食べたことがあったっけ。
そこで「だし巻定食」を食べたことが強烈なインパクトだったらしく、幼稚園以前の記憶がほぼない娘ですら、「祇園でおかーさんの友達の人と出汁巻たべたなあ、あれ、美味しかったなあ」と覚えているほどだ。おかげで「ギオン=だし巻」という方程式ができたほどだ。近年は「錦市場=だし巻」という新しい方程式もできたが。
バスの窓から四条通を見る。視点が高いから、とても目新しい。思わずカメラを取り出してパチパチ。
あ、これは最近「南座」に対抗して作られた「北座」だ! ーうそうそ、八つ橋の井筒が作った北座ビル。八つ橋本舗の本店があり、茶店や京料理のお店、「ぎおん思い出博物館」などがある。もっとも南座と競うような芝居小屋の「北座」は江戸時代には現存していたけれど、四条通りの拡張に伴い明治26年に閉館したという。
「バリバリインドネシア」!? このネーミングって! もちろんインドネシア料理のお店だけど。ちょっとツボった。
うっかりHPをのぞいてみたら、インドネシア語講座やインドネシアの楽器アンクルンの教室、ライブもあるらしい。しかも、ライブをされるグループ名が「サボテンブラザーズ」とか「コモエスタヌキ」って! 聴いてみたい気も(笑) もう終わってるけど。18時から0時までの営業じゃ、ちょっと私には無理だな。
かわいらしい「つなぎだんご」の模様で、花街が近づいて来たことを知る。
花見小路通にはいったら、一気に「まったり、はんなり」な世界。紅色の壁が神秘的に色っぽい。
イメージどおりの京都・祇園。「おこしやすぅ〜」「えらい暑かったどすえ」。もう方言ですら無い、普通の京都人は使わないような京言葉が聞こえてくるようだ。
しきたり。伝統。神社仏閣の行事が歳時記となって生活に沿っている暮らし。
観光地でもあるので、観光客も多い。「暑いどすなぁ。ここでぎょうさん諭吉はん、遣ておくれやす」
金沢の東茶屋町を思い出す風景。
ううう、とても敷居が高くて入れそうにありませぬ。
突き当たりまで行けば、「風神雷神図」や「雲龍図」で有名な建仁寺がある。その手前でバスを下車する。
祇園甲部歌舞練場に到着した。
まず入口近く。伝統芸能が観られるギオンコーナーの入っている弥生会館がある。あの谷崎潤一郎も、家族で歌舞を見に来たらしい。
外観は姫路城を模したという。
ギオンコーナーではほぼ毎日午後6時より、京舞・華道・茶道・琴・雅楽・狂言・文楽の公演があるそうだ。京舞のサイドでお花をたてているとか、お茶をされているとか、同時進行でされているらしい。予約不要でみられるそう。
レリーフ細かい!
威風堂々の歌舞練場。こちらから入場する。
特注の文字入り瓦!
つなぎ団子の丸い提灯が、かわいらしい。
渡り廊下にも提灯。
縁側にも提灯。
八つの団子の真ん中に「歌」の文字が入った丸瓦! 執念のように己を主張する歌舞練場。
その執念は、こんなところまで浸透していた。