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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

葛井寺 その2

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

 奥の南大門のそばから、気になる音が。れんくみさんが、「あの拍子木って、なんやろ??」ととても気になる様子だったが、私は路上観察眼で境内観察に夢中だったので、「ああ、カンカンいってるなあ」と頭の片隅でつぶやく程度だった。

 どうも拍子木を景気よく打ち合わせているのは、南大門に佇むあのおじさんだ↓

 私たちが南大門の近くで興味深そうに写真を撮っていると、そのおじさんが近づいて来た。「紙芝居、見ませんか? どうですか?」と。

 え?? 紙芝居っ?♡

いかにも隙だらけなおばさん二人組は、好奇心も人一倍、いや人二倍だ。聞けばおじさんは、「のぞきからくり研究家」を自称し、子どもの頃、大好きだった「のぞきからくり」を(巨大な「のぞきからくり」の装置は高額なので)、紙芝居で再現することを思い立ったとか。

「みたいです、みたいです!!」と、またとないカモ?になり、私たちは食い入るように簡素な紙芝居に見入った。演題はお寺の境内にふさわしく、

のぞきからくり節風紙芝居 地獄、極楽巡り」。これは有名寺院での定番らしい。比叡山でもされたことがあるとか。

 拍子木をハリセンに持ち替え、要所要所でバンバンと調子良く机を叩きながら、おじさんの名調子が風に乗る。語りも紙芝居の絵も、共に素人っぽいのが好感度大だ。

 賽の河原で石を積む子ども達。でも夜になると鬼どもがやってきて、せっかく積み上げた石を蹴り崩す。子ども達は泣き出すが、そこにお地蔵様がやってきて、子ども達を守ってくれる。

 色欲に溺れた男が陥る地獄はこんなかんじ。責め苦なんだけど、なぜか妙にエロチックだ。

 

 でました! 葛井寺の千手観音様!

 ほかの観客は2〜3歳の女子とそのお母さん。意味が分からず投げ銭をパクったその女児に、お母さんが「そんなことしたら、地獄で皮剥がれるで!」と娘ちゃんを諭していた(笑)今見た紙芝居の最恐シーン、生皮を剥がされる地獄のインパクト大だったのは、私だけではなかったらしい。

 そんな娘ちゃんに、おじさんはオマケのペーパークラフトの咲いたり閉じたりする「からくり花」を手渡してあげていた。投げ銭をはずんだ私たちにも、同様にくださった上、追加上演してくださったのは、徳富蘆花の大ベストセラー「不如帰(ほととぎす)」。

 映画化、ドラマ化されたものも、何度もリメイクされた。のぞきからくりでも定番中の定番だったようで、いまここに紙芝居でもリメイクされている。