庭園を歩く。
以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。
中門をくぐって、庭園の拝観を開始する。美しくラインが引かれた白砂を見ながら、ななめ左手前方に「勅使門」。
サイドからみると、立派さがより際立っている。
丸瓦の模様は、蓮のツボミ?
桧皮葺の上に、龍の鱗のような銅板で葺かれている。
それにしても、この松の姿の美しさ!
借景としての嵐山が、お庭の緑に溶け込み、もはや境界が不明。
大方丈の正面を外から。やはりかっこいい。
角を曲がれば白砂の石庭は終わり、和風の花壇が。トップはこの方達。下野と書いて「しもつけ」という。花は地味だがバラ科だ。
後にいらした老婦人ふたりが、「うちに白いのはあるけど、赤いのもあるんやね。『しもつけ』っていうんや。初めて知ったわ」と地味な花にもかかわらず、話に花が咲いていた。他に桔梗なども咲きそろっていた。
再度、曹源池に戻る。
世界遺産の池には、鯉が優雅に泳いでいた。
岩には苔や羊歯が生えて、「苔のむすまで」という時間を目撃する。
なにげなく池をながめ、ぼんやりとしていた。
んんっ!?
こんなところに、ネジ花がっ!! 今年は見られないかと諦めかけていたネジ花がっ!! と、心の中で快哉を叫んでいた。
池の端に列をなして咲いていたネジ花とお別れして、ふたたび多宝殿方面へ。
新しめの鬼瓦は、すっきり漫画チックで、あんまり味わいはないな。
達磨大師の掛け軸があった「寝転ぶなかれ」の小方丈の広縁にも、
「ここから上がるなかれ」のマークが4ヵ国語の言葉とともに。画鋲で四隅を留められていた。
それにしても、嵐山を庭園の借景にするって、ほんと素晴らしい。東山を借景にした南禅時界隈のお庭とは、また違う風情がある。