拾翠亭はお公家さんの別荘/1F
木立を抜けて到着しました!
「拾翠」の名は、緑の草花を拾い集めるという意味。平安時代に、貴族がのどかな春の日に野辺に出て草花を摘んで楽しんだ、という慣わしに因み名づけられました。また「翠」という字は、みどりの美しい鳥のカワセミという意味も。かつては九條池に、多くのカワセミが飛来したことから名づけられたとも言われます。
この杖をつくひとは私ではありません。杖はついてないし、もうちょっと?若いです。
扉をくぐって、
最後尾で進んで行きます。
先ずは一階で案内を聞きました。拾翠亭は「数寄屋風書院造り」という希少で貴重な文化遺産です。外回りには縁高欄と言われる手すりが施されています。
鴨の行列が水の上を横切っていきます。
少し引いてみると、上には簾(すだれ)、下には手すりが見えます。
ここでガイドさんの説明を聞きながらも、まったり。
これは、西陣の織屋さんに宛てた手紙がそのまま掛け軸になったもの↓
千少庵(千利休の娘婿で千家2代目)筆 書状 井関妙持宛 京都西陣の織屋・井関妙持に宛てたもので画家俵屋宗達の茶会へ同行しようと誘っています。
(釈文)
来る二十一日の昼 俵屋宗達
振舞ひ之有る可き由 御とも申す可き候
かしく (花押)五月十八日少庵より
〆妙持老参る とのこと・・・
この独特な障子の貼り方は、紙の継ぎ目を故意にずらした「石垣貼り」というらしいです。御所や茶室などに使われる高度な技術を必要とする貼り方だそう↓
くつろげるわ〜! ここの廊下の角もシャープに継がれています。
ガイドさんの説明が終われば、移動しまあす〜。次なる物件へ。
HPをみたら、なんと拾翠亭は、茶会、俳句・和歌・短歌の会、読書会、謡曲会(素謡)、歴史研究会、漢詩研究会(吟詠)などの行事に限り、半日(2時間半)6千円でお借りすることができるそうだ。すごいね、京都!
気候のいいときに、こんな場所で読書会ってステキかも。テキストはやっぱり古典かな。
百日紅が翠の池面に映えて、晩夏の風情にうっとりする。
お茶室には入れなかったけど、鬱蒼と暗い部屋の土壁から浮き出た錆が、初夏の夜に発光するホタルのように見えるので、「ほたる壁」というらしいです。
ところで、夏の特別公開が終わっても、拾翠亭は見学できます。3月1日〜12月27日の毎週金曜、土曜、そして葵祭、時代祭、春・秋の御所一般公開日には、100円の料金で、入らせていただけます。開館時間は、午前9時半〜午後3時半。クローズが少し早いので、その点はお気をつけて。