拾翠亭はお公家さんの別荘/2F
お茶室を見た後、二階にあがる。
ここもまた、一段と眺めのいいお部屋ですこと。
ベランダ、ではなく回廊と縁高欄(えんこうらん)。いいねえ。
石垣貼りの障子。そして桟にあるオクラのような模様は、
九条家の裏家紋「丁字七宝」の紋が彫り込まれている。突き上げ窓も大好き!
下を覗くと、杮葺き(こけらぶき)と瓦がミックスする屋根と百日紅。
なんともいえない風情。懐かしささえ感じる郷愁の空気。
床の間には段差がない。床柱は皮付き丸太。
ひととおりガイドさんの説明が終わったので外に出て、「みどころ」のいくつかを探しに行く。
んー。外から見ても、シンプルながら瀟洒でいい感じ。
植栽のバランスも素晴らしい。
背の高い石の手水鉢の足元には、羊歯が床しい。
お庭から「九条池」と「高倉橋」を見る。
みどころ、その1「四阿(あずまや)」。
いいよね〜四阿。特に由緒なくても、その辺のものでさえ、四阿は大好き。これは、てっぺんに獅子付き。
丸窓がモダン。
こーゆー場所で、のんびり時間を過ごすのは、まさに至福。
窓の位置や大きさ、光の入り加減が絶妙。
みどころ、その2。拾翠亭のシャチホコ。これはぜひ見て行ってくださいって、ガイドさんがプッシュされていた。ああ、たしかにあるね。
九条池込みで見る拾翠亭、文句無くいい。
突き上げ窓が、サマになりまくっている。
「依らば大樹の陰」的拾翠亭だって、かなり決まっている。公家さんだもの。
要するに、「遊び心のあるくつろげる場所」というのが、私にとっては名建築なんだな。実感。