日本のボレロ
なにげなくBGMとして聞いているNHK-FM。土曜の21時から『クラシックの迷宮』という番組がある。博覧強記な片山杜秀さんがナビをしてくださるパーソナリティだ。
丁度晩ご飯の片付けの時間で、H氏は洗いもの、私はおばあちゃんの就寝前の介助(その後H氏の手伝い)をしているので、フルは無理だけどところどころを聞くともなく聞いている。
先日は「日本のボレロ」というお題だった。ワンフレーズを延々と繰り返すクラシック音楽だ。もちろん作曲者ラヴェルの有名な名曲『ボレロ』である。
最初にその本家であるおなじみの「ボレロ」が流れる。パリ管の演奏でクリュイタンス指揮の名盤だ。
で、「日本でも『ボレロ』に影響を受けた曲はあまたある」、という片山さんのコメントに間髪をいれず続いたのが、これ。チョー有名過ぎるイントロ。
♪だん、だだだ、だん、だだだ、だん、だだだだだだだだだ
ご存知、「テレビドラマ“水戸黄門”主題歌“ああ人生に涙あり”」
もーーーー、真剣にノケゾリましたよ。やられたー! 片山さんの容赦ないストライクゾーンに打ち抜かれた。
しかも「あまり皆さんが聞かれたことの無い3番を聴いていただきました」と片山さん。クールで滑らかな早口で情報量てんこ盛りのうえ、ありあまるサービス精神だ(汗)
片山さんは「日本人はベートーベンのようなソナタ形式で論理的に構成された音楽より、『ボレロ』のような繰り返しの続く音楽の方が、受け入れやすいんです。なにしろ盆踊りの伝統がありますから」と続ける。
そっかー! 『ボレロ』は盆踊りだったのかー! 目からウロコだ。
昭和10年くらいには、日本では『ボレロ』ブームがあったくらい、日本人はボレロが好きだったらしい。『ボレロ』ブームって!
その後も
「映画“座頭市血笑旅”から“メインタイトルの音楽”」
(伊福部昭・作曲)
早坂文雄・作曲
(9分00秒)
(指揮)芥川也寸志
という、マニアックながら知ってる人は知ってるかも、という曲のあと、
「交響写景“明石海峡”」 菅原明朗・作曲
(13分00秒)
(指揮)指揮者不詳
(NHKのアーカイブス音源提供)
という幻のような音楽までもが登場する。
音源はレコードでも蓄音機の蝋缶(これもそーとーなマニアだが)でもなく、「NHKのアーカイブス」って!! なんでそんな曲知ってるねん!!と、思わずツッコミたくなるくらいだ。
私はここまでしか聴かなかったのだが、ネットで番組のメニューを調べてみると、その後も聞いたことの無い海外での演奏者や曲のあと、「NHK大河ドラマ“赤穂浪士”のテーマ音楽」(芥川也寸志・作曲)や「NHK大河ドラマ“源義経”のテーマ音楽」(武満徹・作曲)などを、番組終盤で流すという、親方に配慮したメニューだったようだ。なんとそつのない(笑)
しかし、気になるのがラストのこの曲。
(3分00秒)
(演奏:男声合唱)北村哲朗と不気味社
<秘密結社不気味社 G.R.F.BR1>
あ゛〜〜〜あ゛!
これ、聴きたかった!!
「秘密結社不気味社」って!!めちゃめちゃ気になるじゃありませんか!!!
で、ネットで探しましたよ。見つけて聴いてみました。あまりの爽快な不気味さに爆笑!
ぼ、ぼぼぼ、ぼ、ぼぼぼ、ぼ・・・ぼぉ〜ぼれぼれぼれぼ、ぼれろ〜♪
ぜひ、どこかのCMで使って欲しい。