大黒さま
なんとか下山できて、麓まで戻って来た。やれやれ。
向こうに佇む石の人は、シーズンオフのサンタさん?
いえいえ、あのお方は大黒さまでは。
ほらね。
この日、私は全くなんにも見てなかったらしい。大黒さまが拳印(右手親指を内に握る=宝印)大黒天というお名前で、秘仏であることとかも、こんなに大きな字で、でかでかと書いてあるのに、全然気づかなかった。
でもまてよ。この案内看板って矛盾だらけ。だってね。
「弘法大師御作(1200年前)」って書いておきながら、「石山寺の三人の僧の同じ夢のお告げによって琵琶湖(湖水)から出現(950年前)」してるって、一体??
登場の仕方から登場する時代まで、まちまち過ぎる。せめてどちらかに「〜という説もある」と書いてほしい。あるいは読者の好みにまかせる、ということなのか。リアリティを重んじるか、ファンタジーを楽しむか。私はもちろん「湖水出現派」だ。
しかしこの能天気な提灯をみたら、まあどっちでもええやないか、という気にはなる。
どっちでもええけど、開運はよろしく!!みたいな。
ということで、開運を頼みつつ、石山寺紀行はやっと終わります。長らくのお付き合い、ありがとうございました。
書き上げてから気づいたけど、弘法大師のお造りになった大黒像が、なんらかの事情で琵琶湖に沈み、それが作られて250年後に湖水から出現したとも考えられる。弘法大師は神通力を持っていたから、なんでもありだもんな。一件落着(落着か?)