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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

狩野派の風俗画

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 4番目のお部屋は、おまちかね風俗画! 絵巻も細かな人物たちの表情やしぐさが楽しいけれど、風俗画もこんなに細密なのに、ひとりひとりをそれは丁寧に、しかも遊び心満載で、見応えばっちり。この部屋だけでかなりの時間を過ごしました(笑)

 コスプレしてるひとたちを探し、秀吉を探し、つまみ食いしてる料理人を探し。

 でも、どうしても見たかった「タケノコのコスプレ」してる人が、なかなか見つからなかったので、監視員スタッフさんに尋ね、どの絵にあるのかを教えてもらって、やっと探し当てました。ちょうど今の時期に竹やぶで見つけるような、黒っぽい茶色の皮にツンツンと緑の尖ったのが出ているタケノコを、頭に被った陽気な人物でした(笑)

 気になったのが、商家の白い暖簾に「もじゃもじゃした細長いもの」が。

 顔をちかづけてよくよく見れば、それはどうも私のよ〜く知っているものでは。白いシンプルな暖簾に縦に一匹、ムカデが描かれていたのだ。たぶん「おアシがいっぱい!」というシャレなんだろうな。綱を引っぱって犬の散歩してる人の他に、同様に猿の散歩してる人もいて、えっ、桃山時代はサルもペットだったの?と思ったり。

 賑やかな街中、花見の宴、祭のドンチャン騒ぎなど、どれも楽しげで人生を普通に謳歌する桃山の人々を見るのは、本当に面白かった。

 一方、この時期は南蛮ブームに沸いていた頃でもあり、南蛮屏風も展示されていた。こちらもじっくりと拝見。南蛮人のペットは、おしなべてスマートな狩猟犬。なぜか一部「南極」が描かれていたり、リアルな象がいたり。この象は通称「ドン・ペドロ」くんというそうだ。ナガサキヤのカステラのパッケージにもなった南蛮図は、一番品がいい色合いと筆致で、うろ覚えだけど狩野内膳筆だったかと。さすがお菓子のパッケージになるだけあり、南蛮図の名品。

 風俗画メインでやって来た私には、ここからすっかりトーンダウンしたけど、ラストあたりに天才・探幽の「松に孔雀図」とか迫力の大作も控えている。

 最後のお楽しみ、特別展のミュージアムショップには、残念ながら私の琴線に触れるものは見当たらなかった。

 むしろ、京博出口付近に最期の最後まで、おアシを落としてもらおうと企んでいるオールタイムなミュージアムショプで、狩野派の宿敵・長谷川等伯の「松林図」や曾我蕭白の「達磨図」のクリアファイルにしてやられた(汗)

 ごめん、狩野派、最後の最後に等伯に寝返ってしまいました。でもナサケナイ肖像画にはしないでね。