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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

本日の新聞ブックレビュー

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

 この日の「京都新聞」のブックレビューが個人的に充実していて、なかなか濃かったので、覚え書きとして。

 爆笑問題の相変わらずの爆笑時事ネタトーク太田光が執筆する時事ネタ漫才。今回は2009年から震災を挟んた2015年までの6年分。

 息子Tくんがウチにいた時は、欠かさず彼らの本を買っていたから、それ以前のは揃っている。装丁のデザインでも笑いをとっていたっけ。今回は、歯に衣着せぬ映画評論家、町山智浩さんも参戦されている。

 いつのまにか、というより、もうとっくに言論統制はガッチリと施行済みみたいですね・・・。

 『自由にものが言える時代、言えない時代』 爆笑問題町山智浩太田出版

 遺伝子組み換えの怪しさやコワさは、叫ばれている場所ではとっくに叫ばれているので、いまさらな感もあるけれど、かといってなんらかの対策はされていたっけか? 「使われていません」と明示された食品を買うしか対策はないけれど、「放射能検査済み」かどうかより消費者の関心は薄いかもしれない。それと「農家を大切にしなくてどうする!?」と読者が怒りを爆発させるだろう部分もあるようで・・・(汗) TPPともからんでくるし、除草剤についても・・・レビューだけで充分こわい。

 『モンサント 世界の農業を支配する遺伝子組み換え企業』 マリー=モニク・ロパン(作品社) 

 映画『それでもボクはやってない』で刑事裁判の闇を描いた周防正行監督が,思わぬ縁で法制審議会・特別部会の委員に。不祥事のあとも一向に懲りない司法関係者の発言に愕然、もってまわった役人話法に苦戦しながらも、「改革への一歩」を模索する.はたして「密室での取調べ」に光は差し込むのか? (岩波書店のHPより)

 『それでもボクは会議で闘う― ドキュメント刑事司法改革 ―』 周防正行・著(岩波書店

 いま朝日新聞で連載中の新聞小説は、夏目漱石の『それから』。もう一度、漱石をあらたな角度から読んでみようかと思わせる、漱石指南書。ヤングアダルト向けなので、ラフな感じも好もしい。

 『夏目漱石、読んじゃえば?(シリーズ:14歳の世渡り術)』 奥泉光/著

 (河出書房新社) 

 マスコミ関係者がこぞって怖れるひとの「アベノミクス」を「アホノミクス」といってはばからないどころか、わざわざ副タイトルにもってくる大胆さ。いやいや大学の先生が、まさかのウケタイトルなのは、確信犯かもしれない。アマゾンのレビューでは酷評につぐ酷評だったけど、もう「何が正しいか?」は、自分で判断しなくちゃいけない時代になっているから。アベノミクスを本気でありがたがってる人って、どれくらいいるんですか??と聞いてみたい。上記の爆笑問題本と合わせワザで。

『国民なき経済成長 脱・アホノミクスのすすめ』浜 矩子・著 (角川新書)

 やっぱり理想はこうかも、というストライクゾーンを突かれる見出し「在宅ひとり死」。病院で死ぬのはイヤ、でも家族の肩に介護がのしかかるのはちょっと、というどっち付かずな思いを、どんどん具体的に形にしていくのは、『おひとりさまの老後』の上野千鶴子さん。「家族に介護されて」というのは、よほど状況が整わないと難しいことだし、状況が整っていても問題行動が多過ぎると、気持ちがあっても家族がもたない。いままでの有り様からすれば、介護する側もされる側にとっても、逆に不幸になりかねない。

 在宅看取りのノウハウからコストまで、大胆に切り込んだ対談集。介護や医療のスペシャリストと上野さんとの対談で、そのうちのお一人が、私が大変影響を受けた「病院で死ぬということ」の山崎章郎さんだった。これを読んで「なんとしても在宅死を」というのが悲願になったっけ。

『ケアのカリスマたち』 上野千鶴子・著 (亜紀書房

 フィクションはないけれど、「いま」を知るのには、充実のラインナップでした。