アプローチから玄関
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栗原邸は門を入っても、直ぐには現れない。
大山崎山荘のアプローチは広大なお庭の果てだったし、滋賀県が誇る八日市の料亭「招福楼」さん(格が高すぎて行った事がありませんが)だって、何ヶ月もその前を通っているのに「どこにあるんやろ?」とわからなかったほど、アプローチが長く建物が見えなかった。りっぱな建物は、そうそう簡単に姿をあらわにはしないものらしい。
とはいえ、栗原邸は別荘でも抜きん出た名料亭でもないので、アプローチはうまく姿が隠れるよう回り込んではいるが、そう長くはない。私邸故に、毎日の生活でアプローチが長いと逆に不便だ。
モーゼが海を割ったように、手入れされた段々が5月の緑を割っていた。
緑の中から現れる、威風堂々のコンクリート物件。
曇りガラスに映りこむ松が素敵。でも落とし込んで大きな画像で見て初めて知った、クモの巣の映り込みがホラー感をそこはかと・・・。
モダニズム建築は、幾何学模様を指向し、嗜好するらしい。◯と△と□をモチーフとして設計のみならず、そのインテリアにまで追求した設計者・本野精吾氏。だから玄関部分は円。というか半円。
照明はピラミッド型の三角。2回の窓は正方形。
半円のなかに正方形。
ところで◯と△と□って、どこかでみたなあ・・・あ、去年の今頃(6月)、建仁寺の掛け軸にあったっけ。禅宗の四大思想(地水火風)を象徴したもので、□は地、水は○、火は△を表していたらしい。日本のモダニズム建築は、期せずして禅とも通じていたとは(笑)
さて、いよいよ内覧です。大入り満員で玄関には履物がびっしりと。